本行寺は隠れキリシタンの本山
 のちには「作者の氏神」「東洋のシエクスピア」「純愛の劇詩人」とまでいわれた世界的な文豪近松の修行中に 舞台芸術への関わりを育てのが、当時日本最大といわれていた下関大阪屋劇場でした。その大阪屋劇場のあったのが 寺社奉行管轄下の学問寺 法華宗本行寺境内であり 本行寺こそは 隠れキリシタンの本山でした。
ホームページ「隠れキリシタン料理」より引用

 平成15年5月18日(日)、七尾市小島町の丘陵にある揚柳山本行寺を訪れた。
 本行寺は本門法華宗の古刹であるが、内実は北陸隠れキリシタンの総本山ともいえる寺である。
  切支丹禁制当時から 引き継がれている「アニマー(霊魂)祭」に参加させて いただくためだ。アニマー祭は キリシタン禁制下の江戸時代にあっても、
 毎年5月26日に 前田家重臣や信者が密かに引き継いできた例祭なのだ。
 今年は本行寺の都合によって 一週間早めることになった。
 当日は「茶会」と伝承されてきた「隠れキリシタン料理」が披露される日だ。

隠れキリシタン料理

平成15年5月18日(日)、七尾市小島町の丘陵にある揚柳山本行寺を訪れた。
本行寺は本門法華宗の古刹であるが、
内実は北陸隠れキリシタンの総本山ともいえる寺である。

切支丹禁制当時から引き継がれている「アニマー(霊魂)祭」に参加させていただくためだ。
アニマー祭はキリシタン禁制下の江戸時代にあっても、
毎年5月26日に前田家重臣や信者が密かに引き継いできた例祭なのだ。

今年は本行寺の都合によって一週間早めることになった。
当日は「茶会」と伝承されてきた「隠れキリシタン料理」が披露される日だ。

(2003.may.18. 揚柳山本行寺 アニマー祭当日 )


本行寺はキリシタン大名・高山右近が 加賀藩初代藩主前田利家
二代藩主前田利長の庇護を受け、国外追放直前までの26年間関わった寺だ。
右近は寺の一角を占める谷(右近谷)に修道所を建て(1599年)、
北陸一円のキリスト教宣教に、
ペレス神父とともに傾注した。

また、本行寺は海上交通の要所である七尾湾を擁し、
南蛮医学・土木・航海・建築・火術などの修得する、
北陸最大の文化拠点でもあった。

アニマー祭の料理は「南蛮正月膳」ともいわれ、
小崎學圓住職が寺に伝承する文献と口伝を精究され、
往時のポルトガル料理を偲ばれる御膳を提供された。



(2003.may.18. 本行寺 アニマー祭御膳 )

御膳の料理は
 下左は大唐米(赤米)で、めでたい赤飯の代用。
 下中は葡萄酒で
キリストの聖体を象徴する。
 下右は 芋のでんぷんから作られた
ジンダゴ(神団子汁)で雑煮に相当する。
 中左はもっちりした白い
カステラもどきのカルカンでデザートになる。
 中右は飛龍頭(ひろうず・ガンモドキ)とモチモチした食感のカライモセン。
 上左は柿入りの酢物、上右はイカの墨煮だ。

 御膳に面した私は
聖体(キリストの血)の葡萄酒を一口含んだ。信者には聖体拝受の神聖な儀式である。
 料理は大変手の込んだ品々で、葡萄酒やカルカンは南蛮渡来であったろうか。
5月に柿が膳に上るなど、往時の保存法などを考えれば贅を極めたものだ。
 高山右近は利家の客将として1588年(天正16)加賀に赴き、
1614年(慶長19)国外追放直前まで藩内に滞在した。
 その26年間、本行寺でのアニマー祭には常に参じたのではないだろうか。
 広い本堂の須弥壇の前で料理をいただきながら、
 もしかすれば右近もここに座ったのではないだろうか、と想像した。
 求道者、
ジェスト・高山南坊はロザリオを懸け、聖書を傍らに置いて、私の隣に座したかもしれないのだ。
 およそ400年の隔たりがあるが、身のすくむ思いがあった。

料理をいただいたのち、別棟の茶室きく亭」に向かった。
きく亭は当山草創者で「茶の湯」の祖・円山梅雪ゆかりの茶室で、
1483年(文明15)に創建されたといわれる



(2003.may.18. きく亭 掛け軸は右近の「日本訣別書状」)

きく亭は隠れキリシタンの集会場、キリスト教文化圏との交易場、
南蛮文化の窓口となって、華麗な加賀百万石文化の発信地でもあった。

1614年、右近は切支丹禁制令によってルソンに追放が確定した。
長崎に護送される直前、右近は前田利長らと最後の茶会をしたことだろう。

床の間の掛け軸は右近が細川忠興に宛てた日本決別の書の下書きである。

近日出舟仕り候 ・・・・・・・ 9月10日 南坊等伯(花押)」が、
毛氈に端坐した私を静かに見下ろしていた。
 1615年(慶長20)、1月8日マニラで帰天。
 全マニラ市民は十日間にわたる葬儀と追悼ミサで別れを惜しんだ。
 享年63歳。

                                    

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