FILE3:アイフェイオン

 

来生 「今回で観察記録も3回目だな。さて今回の素材だが...」
村下 「博士っ!ちょっといいですかっ!!」
来生 「な、何だね、村下君?ずいぶん気合が入っているな...」
村下 「今までは、博士が勝手に研究素材を選んでいたので、今回は私が自分で選んできましたっ!」
来生 「ほほぅ?村下君もなかなかやるな。で、その素材とは?」
村下 「ジャーン!!これです。『アイフェイオン』っていう花の球根です。[写真0]今まで野菜ばかり育てていたんだから、今回は花に挑戦させて下さい!!」
来生 「うむ、いいだろう。ところで水を差すようで悪いが、『アイフェイオン』は野菜の『にら』に似た匂いがするので、別名『はなにら』と呼ばれているんだぞ」
村下 「...え?...ええーっ!?『にら』って、あの『レバニラ炒め』の『にら』ですかぁ!?」
来生 「その通りだ。まあ、村下君が自ら選んだ素材だ。頑張りたまえ」
村下 「そ、そんなぁ〜(汗)」

 

 

11月23日
来生 「さあ、それでは早速今回も行ってみようか?」
村下 「...ううっ...そんな...『にら』だなんて...」
来生 「いいかげん、立ち直りたまえ村下君。まずはプランターと土の準備だ」
村下 「トホホ...分かりました...」
来生 「今回は初の球根物だな。[写真1A]それほど大きくないので、十個ぐらい植えてみたまえ」
村下 「...こんな感じですか?」[写真1B]
来生 「うむ、上出来だ。まあ、今回の開花時期は来年2月頃なので、気長にいこう」
村下 「...なんか、今回はどうでもよくなってきました...」

 

 

12月7日
来生 「あれから、2週間経ったが様子はどうだね?」
村下 「...ふふふ、もういいんですよ博士。どうせ『にら』なんだし...」
来生 「まだ立ち直ってないのか、村下君。経緯はどうあれ、君が選んだ素材だろう?途中で観察を放棄するのは研究者失格だぞ」
村下 「はっ!?す、すみません博士。あたし、自分を見失う所でした。頑張ります!!」
来生 「うむ、それでこそ村下君だ。ところで、成長の具合は...よし、ちゃんと発芽したようだな」[写真2]
村下 「写真では見えにくいんですけど、上段の真ん中がまだ芽が出てないですね...」
来生 「どれどれ...大丈夫だ。よく見たら、ちゃんと芽が出ているぞ。おそらく成長が遅れていただけだろう。」
村下 「そうですか。...よかった」

 

 

2000年1月23日
来生 「さて、観察記録もずいぶん久しぶりだな。あれからどうなったかね、村下君?」                             
村下 「そ、それが...全然成長してません(汗)。なんか葉も『クタ〜ッ』ってなってるし...」[写真3]
来生 「どれどれ。う〜む、これは...村下君、ちゃんと水は毎日やっていたのかね?」
村下 「うっ...(汗)じ、実は朝夕と2回水やりするつもりだったんですけど、最近、朝とか急いでて、やり忘れたりしました。まさか、それが原因なんですか?」
来生 「いや、そうとも言えないが...。まあ、水やりは忘れないに越したことはないな。あと、プランターの底の水抜きはやっているかね?」
村下 「水抜き?...って何ですか?」
来生 「まさか、今まで一回もやってなかったのかね?プランターの底には根に吸収されなかった水が溜まるようになっているので、側面の下の方に付いているキャップを取ってその水を抜いてやる必要があるんだ」
村下 「そ、そうだったんですか?早速やって見ます。...うわっ、かなり溜まってましたよ、博士!!」
来生 「アイフェイオンは水はけのよい土地を好むそうなので、そのままにしておいたら根腐れを起こしていたかも知れないな。これで様子を見てうまく行かないようなら、前回のように液肥をやってみようか」
村下 「わ、分かりました。頑張ります」

 

 

3月5日
来生 「観察開始から3ヶ月が経過したが、アイフェイオンの調子はどうかね、村下君?」
村下 「あ、博士見て下さい。少しづつですけど元気になってきたみたいです」[写真4A]
来生 「なるほど、これなら心配なさそうだな。しかし、念の為今回も液肥を使ってみよう」
村下 「サヤエンドウのときに使った例のアレですね。分かりました...これでよし、と」[写真4B]
来生 「それと前回も言ったが、プランターの底に溜まった水を定期的に捨てるのを忘れてはいけないぞ」
村下 「大丈夫ですよ。ちゃんとやってます」
来生 「うむ、植物も古い水より新鮮な水を欲しているからな。決して手を抜いてはいけないぞ」
村下 「そうですね。ところでもう3月なんですけど、いつ頃花が咲くんですか?」
来生 「そうだな、今月末には咲くはずなのだが...まあ、咲かなかったら村下君の育て方が悪かったということだな」
村下 「え〜!!そんなぁ〜(汗)」

 

 

3月29日
村下 「た、大変です、博士!!(汗)」
来生 「何だね、村下君。落ち付きたまえ」
村下 「じ、実は...ちょっと風邪で寝込んでいる間に『アイフェイオン』の花が咲いてしまいましたぁ(汗)」[写真5A]
来生 「うむ、どうやらそのようだな。良かったじゃないか」
村下 「ううっ...予定では、蕾の状態から逐一写真を撮っておこうと思っていたのに〜(涙)」
来生 「ふふふ、まあいいではないか。こういう失敗も実に村下君らし...あ、いや、まだまだ花が咲き揃うのはこれからだからな」
村下 「そ、そうですよね。ちなみにこれが蕾でしょうかね?」[写真5B]
来生 「うむ、その通りだ村下君。今回はすべての株に花が咲き揃ったら観察終了という事にしよう」
村下 「本当ですか!?頑張ります」

 

 

4月23日
来生 「さて、村下君。あれから1ヶ月音沙汰なかったが、『アイフェイオン』は無事に咲き揃ったかね?」
村下 「そ、それが...キチンと咲き揃うのを待ってたら、もう花の時期が終わってしまったみたいなんです〜」[写真6]
来生 「どれどれ...う〜む、そうだな。もう蕾も付いていないようだし...」
村下 「ううっ...せっかく今回は順調に進んでいたと思ったのに〜」
来生 「まあ、そう嘆くな村下君。ちゃんと花が咲いた事には変わりないんだから今回も成功したと言ってもいいだろう」
村下 「そ、そうですよね博士。..ところで、来年の為に新しく出来た球根を掘り出したいんですけど、いつ頃がいいですか?」
来生 「通常、葉が黄色く変色した頃に掘り出して乾燥貯蔵するのだが、『アイフェイオン』の場合は2〜3年植えたままでもいいらしいぞ」
村下 「そうなんですか?...でも、このプランターのままじゃ土も古くなってしまいますし、時期が来たら掘り出して保管しておきます」
来生 「よし、それではこれで『アイフェイオン』編は終了としよう」
村下 「はい、ありがとうございました!!」

村下 「今思えば、3月頃の方がキレイに咲いてましたね」[写真7]
来生 「そう言えば、そうだな。咲き始めの方が形も良かったしな」
村下 「来年、植える時はもうちょっと密集した状態にしてもいいですかね?」
来生 「う〜む、まあ、その方がいいかもしれんな」
村下 「とりあえず今回はこれでいいとして、次回も頑張ります」
来生 「それでは、次回の観察記録でまた会おう」

 

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