FILE4:アサガオ

 

来生 「さて、『観察記録』のコーナーもいよいよ4回目に突入したな」
村下 「そうですね博士。もう、あたしもベテラン園芸師って感じですよね」
来生 「...まあ、そういう事にしておこうか。では、そろそろ今回の観察素材について発表しようか」
村下 「はいっ!!何でしょうか?」
来生 「『アサガオ』だ」
村下 「.........」
来生 「ん?どうしたんだ村下君?」
村下 「......イヤです(怒)」
来生 「やれやれ、またかね村下君。一体何が不満なんだね?」
村下 「どうせまた『急増殖朝顔』みたいなヤツを育てさせるつもりなんでしょ!もうコリゴリですよ」
来生 「ふふふ。その心配は無用だ、村下君。これは漫画ではないから、そんな無茶な事ができるはずないだろう?」
村下 「なるほど...それもそうですね。だけど、今更『アサガオ』なんて...」
来生 「甘いな村下君。何事においても基礎は大切なのだよ。今一度、初心に戻って『アサガオ』を育ててみたまえ。ベテラン園芸師なんだから、楽勝だろう?」
村下 「うっ...(汗)分かりました、やってみます...」

 

 

5月7日
来生 「では、早速始めようか村下君」
村下 「...博士、何だか嬉しそうですね...」
来生 「それは気のせいだよ、村下君。ところで指示通り」、種を一晩水に漬けておいたかね?」
村下 「ええ、バッチリです。[写真1A]でも、何でこんな事するんですか?」
来生 「『アサガオ』の種は殻が非常に固いので、こうしておいた方が発芽しやすくなるのだよ」
村下 「へえ〜、そうなんですか。あと種の大きさが違うのはどうしてですか?」
来生 「それは...秘密だ。まあ、そのうち分かるから楽しみにしていたまえ」
村下 「う〜ん、何か不安だけどまあいいか。」
来生 「今回はプランターではなく、丸鉢を使用する事にしよう。では、いつものように鉢底土を敷いて土を入れるんだ」
村下 「...はい、出来ました[写真1B]」
来生 「では、これで準備は終了だな。毎日の水やりを忘れないようにな」
村下 「分かりました。頑張ります」

 

 

5月17日
村下 「博士、博士、やりましたよ!!」
来生 「何だね、村下君。騒々しいな」
村下 「『アサガオ』の双葉がやっと出ました!!」[写真2A]
来生 「...やれやれ、種を蒔いたら芽が出るのは当たり前じゃないか。村下君、君もイヤだとか言いながら結構ハマっているじゃないか?」
村下 「うっ...そ、そんな事はないですよ(汗)」
来生 「ふふふ、まあいいだろう。『アサガオ』は成長の過程が非常に分かりやすいからな。こういった観察にはピッタリであると言えるな」
村下 「...ところで、博士。種蒔きの時も思ったんですけど、3つともかなり大きさが違いますよね?一体どんな品種なんですか?」
来生 「それを今言ってしまっては面白くないだろう?まあ、『急増殖朝顔』のような事は無いから安心したまえ」
村下 「わ、分かりました〜」
来生 「さて、次は本葉だな。頑張れよ村下君」

 

 

5月31日
来生 「さて、村下君。『アサガオ』の調子はどうかね?」
村下 「バッチリですよ、博士。ほら、もう本葉も出てきました」[写真3A]
来生 「うむ、なかなか好調だな。1番手前の大きな株は少し成長が遅いような気もするが、まあいいだろう」
村下 「あの〜、ところで博士...」
来生 「ん?何かね村下君」
村下 「これから『アサガオ』もどんどん成長することですし、そろそろ支柱を立てた方がいいと思うんですけど?」
来生 「う〜む、まだ少し早いような気もするが...まあ、いいだろう」
村下 「やったぁ!実はこんな事もあろうかと、すでに買っていたんですよ。...っと、これでよしと!!」[写真3B]
来生 「...村下君、前回も思ったんだが、実はかなり『アサガオ』栽培にハマっていないか?」
村下 「そ、そんな事はありませんよ。気のせいです、気のせい...」
来生 「...まあ、研究対象に興味を持つのはいい事だ。頑張りたまえ」

 

 

6月12日
来生 「『アサガオ』に何か進展はあったかね、村下君?」
村下 「それがまだ全然...本葉3、4枚といった感じですね」
[写真2]
来生 「ふむ、まあそんなに成長が遅いというほどでもないな...」
村下 「そうでしょうか?でも普通『アサガオ』って7月中ぐらいには咲き始めるんじゃないんですか?」
来生 「その通りだが、村下君の場合は種蒔きの時期が5月上旬と遅かったので、こんなものだろう」
村下 「そうなんですか...」
来生 「どうしても気になるようなら、次回は『アレ』をやってみるかね?」
村下 「『アレ』?...ああ、なるほど『アレ』ですね。分かりました」

 

 

7月2日
村下 「ああっ!これはっ!?」
来生 「むっ!どうした村下君?」
村下 「見てください博士、ようやく蔓が支柱に巻き付き始めました!!」[写真5A]
来生 「何事かと思えば、そんな事かね...それよりもこちらの方を見たまえ。もう蕾が付き始めているぞ。」[写真5B]
村下 「え?ああっ、本当ですね。気が付きませんでした(汗)」
来生 「とは言え、やはり成長の遅さは否めないな。ここは予告通り『アレ』を使うか。準備は出来ているかね村下君?」
村下 「はいっ『液肥』ですね。用意しておきました。...これでよし」[写真5C]
来生 「うむ、。蔓が巻き始めたものに比べ、他の2つは少し成長が遅いが、これで何とかなるだろう」
村下 「次はもう花が咲きますよね、博士」
来生 「ふふふ、さてそれは分からんな...期待せずに待ちたまえ」

 

 

7月14日
村下 「博士、ついに花が咲きましたよ!!」[写真6]
来生 「ほう、どれどれ...うむ、上出来だな」
村下 「...でも何かこの『アサガオ』変じゃないですか?形とか五角形だし...」
来生 「ふふふ、よく気付いたな村下君。これは『桔梗咲朝顔』という品種なのだ。桔梗に似た星型で八重咲になるのが特徴だ。残念ながら色は白だったようだが...」
村下 「そうだったんですか...まあ、とりあえず第1段階はこれでクリアですよね」
来生 「うむ、しかしまだ2つ残っているぞ。油断は禁物だ」
村下 「分かってますって。大丈夫ですよ」

 

 

7月16日
来生 「村下君、他の『アサガオ』の様子はどうだね?」
村下 「あ、博士!もう一つの『アサガオ』も花が咲きましたよ。でもこっちは普通ですね...」[写真7]
来生 「何だって?う〜む、これは...」
村下 「どうかしたんですか?あ、花がちょっと破れてるのは風のせいですよ」
来生 「いや、そうではない。実はこちらは『絞り咲朝顔』という品種で、その名の通り絞り染めのような花が咲くはずだったのだが...」
村下 「ええっ、そうだったんですか!?...あ、でもよく見たら薄く絞り模様が入っているような...」
来生 「...村下君、無理しなくてもいいぞ。まあ、無事花は咲いたからこれはこれでよしとしよう...」
村下 「第2段階もクリアですね。しかし最後の1つは蕾も付いてないけど大丈夫かなぁ...」

 

 

7月21日
村下 「博士、見て下さい。明日の朝には『桔梗咲』と『絞り咲』が一緒に咲きそうですよ」[写真8]
来生 「うむ、そのようだな。明日は寝坊してはダメだぞ、村下君」
村下 「んも〜、寝坊なんかしませんよ」

 

7月22日
来生 「おお、ちゃんと咲いたようだな。しかし、村下君はどうしたんだ?」[写真9]
村下 「す...すみません、寝坊しました!!(汗)」
来生 「...実に予想通りのボケをかましてくれるな、村下君」
村下 「ううっ、つい深夜番組に見入ってしまって...あ、2つとも咲いてますね」
来生 「うむ、それにしても最後の1つは全然蕾が付かないな...」
村下 「前から思ってたんですけど、最後の1つは葉の形が他のと違いますね」
来生 「む、それはだな...今はまだ秘密だ」
村下 「え〜、教えてくれてもいいじゃないですか。博士のケチ」

 

 

8月17日
村下 「博士〜。あれからかなり経ったのに最後の1つは蕾すら付いていません(汗)」[写真10]
来生 「うーむ...どうやらこれは失敗したかもしれないな」
村下 「ええーっ!?そうなんですか?」
来生 「見たまえ村下君、下の方の葉が根元から無くなっているだろう。多分このベランダは強風にさらされる事が多いので、飛ばされてしまったのだろう」
村下 「た、確かに...ここは風が強いですね」
来生 「故に新しく生えて来ているのも本葉ばかりになり、蕾も付かないのではないかと私は推測しているのだが...」
村下 「そ、そんなぁ〜(汗)じゃあ、もう花は咲かないって事ですか?」
来生 「いや、あともう少しだけ様子を見てみよう。まだ花が咲く可能性はゼロではないからな」
村下 「ううっ...出来れば咲いて欲しいなぁ...」

 

 

9月8日
来生 「さて、9月に突入したが、最後の1つの具合はどうかね?」
村下 「それが...やっぱりダメでした(汗)『絞り咲』の方は咲いたんですけど...」[写真11]
来生 「う〜む、やはり咲かなかったか...。『絞り咲』もおそらくこれが最後の花だろうな」
村下 「ううっ、最後の最後で失敗してしまいました(汗)...ところで、咲かなかったから結局分からなかったんですけど、最後の1つは何だったんですか?」
来生 「実は...これは『朝顔』ではなく『夕顔』だったのだ」
村下 「ええ〜っ!?そうだったんですか?どうりで葉っぱの形が違うと思いました」
来生 「『朝なのに花が咲きませ〜ん(汗)』といった村下君のボケを期待していたのだが...」
村下 「んも〜、何なんですかそれは(怒)...で、これからどうすればいいんですか?」
来生 「そうだな...今回はこれで終了と言う事にしようか」
村下 「分かりました...残念です(涙)」

来生 「まあ、元気を出したまえ村下君。『桔梗咲』と『絞り咲』はちゃんと咲いたのだから、まずまずの成果と言っていいだろう」
村下 「そうですね。あと『桔梗咲』の方は種が出来ていたので採取しておきました。『絞り咲』の方は強風で飛ばされてしまったみたいですけど...(汗)」[写真12A]
来生 「おお、上出来だ村下君。『夕顔』の方は9月24日現在少し葉が復活したようだが、花を付けるのはまず無理だな」[写真12B]
村下 「それじゃ、今回はこれで本当に終了ですね」
来生 「うむ。次回も頑張りたまえ、村下君」
村下 「分かりました。また次の『観察記録』でお会いしましょう」

 

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