FILE7:ミニキャロット

 

村下 「『観察記録』もいよいよ7回目ですね、博士」
来生 「うむ。今回は約束通り、私が観察素材を選んでおいたぞ」
村下 「そういえばそういう約束でしたね...で、今回は何なんですか?」
来生 「『ニンジン』だ」
村下 「...『ニンジン』...ですか(汗)」
来生 「不満そうだな村下君。まあいいではないか。思えば第1回の『ハツカダイコン』以来の根菜物だぞ。」
村下 「確かにそうですが...でも『ニンジン』はプランターで育てるには大きすぎませんか?」
来生 「心配無用だ。何故ならこれは『ミニキャロット』という、あまり大きくならない品種なのだよ」
村下 「分かりました。今回も頑張ってみます」

 

5月12日
村下 「これが『ミニキャロット』の種ですか。ずいぶん細かい種ですね」[写真1A]
来生 「その通り。だから種蒔きは慎重に行わなければならないぞ」
村下 「そうですか...ではいつも通り鉢底土を敷いて用土を入れていきましょう」
来生 「よし、説明によるとすじ蒔きをして薄く覆土すると書いてあるな」
村下 「すじ蒔きですね。あっ、しまった蒔き過ぎたかも...ふう、なんとか出来ました」[写真1B]
来生 「うむ、まあいいだろう。だが、まだ終りではないぞ村下君」
村下 「ええっ、まだ何かあるんですか?」
来生 「前回のようにレンガで底上げして風通しを良くするのだ。そしてもう一つ。発芽するまで敷きワラをして潅水するのだ。」
村下 「なるほど、『水苔』の代わりという事ですね」
来生 「それとはまた違うのだが、まあいいだろう」
村下 「...出来ました。発芽が楽しみですね」[写真1C]

 

5月24日
来生 「さて、『ミニキャロット』の様子はどうだね村下君?」
村下 「ちゃんと発芽してますよ博士」[写真2A]
来生 「うむ、なるほど...って、村下君!発芽したら敷きワラは取らねばならないんだぞ(汗)」
村下 「ええっ!?そうならそうと早く言ってくださいよ博士(汗)」
来生 「まあ、今からでも遅くない。敷きワラを取ろう...うっ、これは...」
村下 「...見事にヘロヘロな苗になってしまいましたね」[写真2B]
来生 「いや、まだ打つ手はあるはずだ。次回までに対策を立てよう」

 

6月3日
村下 「これで何とかなったでしょうか博士?」
来生 「うむ、間引きして土を足したら少しはまともになったな」
[写真3]
村下 「いや〜、今回は初っ端から失敗してしまってどうなる事かと思いましたが…」
来生 「だが、どうも嫌な予感がするな...」
村下 「ふ、不吉な事言わないでくださいよ〜(汗)」
来生 「まあ、しばらくこれで様子を見てみよう」
村下 「そうですね」

 

6月17日
来生 「さて、二週間経ったが様子はどうだね?」
村下 「ふふふ、見てください博士。順調に成長してますよ」[写真4]
来生 「どうやら何とか持ち直したようだな。だが...」
村下 「何ですか?まだ嫌な予感がするんですか?」
来生 「いや、この右端の方の株が無くなっているのはどうしたんだね?」
村下 「ああ、それなら何かしおれちゃってたんで抜いちゃいました」
来生 「う〜む...まあもう少し様子を見てみるか」

 

7月7日
村下 「ああっ、これは!?」
来生 「一体、どうしたのだね村下君?」
村下 「ミ、ミニキャロットの葉がほとんど萎れたり枯れかかったりしています(汗)」[写真5A]        
来生 「むぅ、やはり...。どうやら事態はかなり深刻だな。敷き藁を取る時期が遅かったり、間引きする時期が遅かったりしたのが影響したのかも知れないな」
村下 「で、でも前みたいに『水苔』でカバーすれば大丈夫ですよね、博士?(汗)ほら、こんな具合に...」[写真5B]
来生 「残念だが村下君...」
村下 「そ、そんなぁ...いや、絶対大丈夫ですって...多分(汗)」

 

7月14日
村下 「...博士〜、やっぱりダメでしたぁ〜(涙)」
来生 「やはりほとんど枯れてしまったか...」[写真6A]
村下 「これからどうしましょう...もうミニキャロットは中止ですか?」
来生 「それは違うぞ村下君。今までは失敗しても何らかの成果があったが、今回は事情が違う。もう一度最初からやり直しだ。」
村下 「ええーっ!?今からやり直しですかぁ?(汗)」
来生 「大丈夫だ。まだ種まきの時期は終わってないしな。今度は大きめのプランターを用意したのでこれを使いたまえ」
村下 「ううっ...分かりました(汗)今度は大丈夫かなぁ...」[写真6B]

 

7月28日
来生 「どうだね村下君?2回目のミニキャロットの様子は?」
村下 「あ、博士。見て下さい、今回はバッチリですよ」[写真7]
来生 「うむ、なかなか良い感じだな」
村下 「今回は発芽してから敷きワラを全部取らずに残しておいたんですよ」
来生 「おお、村下君にしてはよく気が付いたな。いい判断だ。これで潅水の点も解決だ」
村下 「今度こそ上手くいきますように」

 

8月12日
村下 「どうですか博士、この育ち具合。今回は絶対成功しますよ」[写真8]
来生 「確かに。だが一見順調そうだが、まだ油断は禁物だぞ」
村下 「ええーっ!?どうしてですか?」
来生 「思い出してみたまえ。前回もこのぐらいまでは順調に育っていただろう?」
村下 「うっ...そういえば...(汗)」
来生 「今回は細心の注意をはらって育てなければならないぞ」
村下 「分かりました...」

 

8月26日
来生 「もういいかげんこの台詞も飽きてきたが、ミニキャロットの様子はどうだね?」
村下 「ふふふ...見てください。この雄々しく茂ったミニキャロットの葉を!!」[写真9]
来生 「おおっ、これは...大したものだな」
村下 「でしょう?今回は十分に深さのあるプランターを使ってますし、敷きワラを残しておいた効果もあったみたいです」
来生 「うむ、前回越えられなかった壁を今回は越えられたようだな」
村下 「今度こそ上手くいきますよ...多分」

 

9月9日
村下 「いや〜、もう絶好調ですよ。これなら心配いりませんよね」[写真10A]
来生 「うむ、そうだな。どれどれ...」
村下 「何をしているんですか博士?」
来生 「根の方が、どの程度成長しているか見ているのだよ。...かなり大きくなっているようだな」[写真10B]
村下 「えっ!?...って事は」
来生 「次回あたり収穫してみるかね、村下君」
村下 「やったあ!!ついにゴールが見えましたね」

 

9月16日
村下 「博士、大変です!!葉が枯れ始めてますよ。そろそろ収穫しないと...」
[写真10A]
来生 「ふむ、そうだな...それでは引き抜いてみたまえ」
村下 「......よし...って、アレ?(汗)小さいですね...」[写真10B]
来生 「う〜む、まだ少し早かったかな?しかし、もう2ヶ月経つしな...まあこのくらいでいいだろう。『ミニキャロット』というぐらいだから差し支えは無いな」
村下 「じゃあ、今回はこれで終了ですね」
来生 「ああ。ずいぶん手間がかかったがよくやったな、村下君」
村下 「ありがとうございます。それじゃあ早速洗ってきれいにしましょう」[写真10C]
来生 「これで見栄えも良くなったな。収穫も無事終わった事だし、早速試食してみようか?」
村下 「えっ?...あたしが作るんですか?(汗)」

村下 「んも〜、博士!!何ですか、この研究室の冷蔵庫は?キャベツと卵しか無いじゃないですか」
来生 「いや〜、すまんすまん。買い物に行くのが面倒でね」
村下 「そんな事じゃ栄養が偏っちゃいますよ。仕方無いからミニキャロットとキャベツと炒り卵の炒め物にしました」
来生 「おお、さすがだな村下君。さて、それではいただこうか」
村下 「どうです博士?味の方は」
来生 「う〜む、不味くは無いが、ニンジン特有の臭いがキツいな。しかしまあ合格といったところだろう」
村下 「...何だか釈然としませんが、ちゃんと食べられるみたいで良かったです」
来生 「そんな訳で『ミニキャロット編』はこれにて終了だ。次の観察も頑張るんだぞ、村下君」
村下 「もちろんですよ。次回もよろしくお願いします」

 

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