野外観察２４

村下	「なんだか『野外観察』も月イチペースになってきましたね」
来生	「うむ。だが、ネタ切れになるのもマズイのでこれぐらいが妥当だろう」
村下	「そうですね．．．で、今回の観察対象は何ですか博士？」
来生	「今の季節なら『ゲンゲ』が咲いている頃だな．．．よし、その辺の田んぼに行ってみるかね」
村下	「げ、げんげぇ～？何なんですかそれは（汗）」
．．．近所の田に到着
来生	「ほら、ここに沢山咲いているだろう。これを知らないとは、村下君もまだまだだな」
村下	「．．．あの～これって『レンゲ』じゃないんですか？」
来生	「？．．．『レンゲ（蓮華）』とは『ハス（蓮）』の花の事だろう？．．．ああ、そういえば『ゲンゲ』も『レンゲソウ』と呼ばれる事の方が多いのか。こりゃ失礼」
村下	「んも～、紛らわしい言い方しないで下さい博士」
来生	「悪い悪い。しかし牧野植物図鑑等には『ゲンゲ』として載っているのだがな（本当）」
村下	「それにしても『レンゲソウ』って、何でこんなに田んぼに生えるんですか？」
来生	「おっ、いい質問だな村下君。『レンゲソウ』には根粒バクテリアが共生しているので、その昔緑肥として栽培されていたのだよ。今こうして田んぼに生えているのはその名残だな」
村下	「へえ～、そうだったんですか」
来生	「さて、今回の植物クイズに行ってみようか。最初の話題にも出たように『レンゲソウ』は『ゲンゲ』等とも呼ばれているのだが、漢名では何と呼ばれているか知っているかね？」
村下	「え？ええーっ！？最近こんな難しいのばかりですね（汗）え～と．．．分かりません」
来生	「ふふふ、答えは例によって右下だ。それにしても最近は田畑も少なくなって来たので、それに伴い『レンゲソウ』もあまり見られなくなったな」
村下	「大島弓子さんの『四月怪談』って漫画で、昔『レンゲソウ』が咲いてた畑が埋め立てられて無くなった．．．っていうのがあったんですよ。そういうのは都会だけの話だろうと思っていたんですけど、この辺りでも現実になって来つつありますね」
来生	「うむ、そうだな。それが悪い事だとは言えないが、植物研究者としては寂しいかぎりだな」
村下	「本当ですね～」
（おわり）