技術

DOHCは,要注意

 バルブ開閉時期に狂い,アイドリング不調。
 トヨタ スプリンタートレノ 4A-GEU 75000km アイドル不調ということで,入庫して来た。ユーザーに話を聞くと, アイドリングが常に不安定で,全開走行したときも、パワーが少し落ちてきたみたいだ,とのこと。
 車を点検すると,なるほどエンジンがブルブル触れて、いまにもエンストしそうな状態だ。エンジンの吹け上がりも,少し悪いような気がする。
 少し時間をもらい,車を預かることにした。まずバキュームゲージを取り付けると300−400mmhgの間で、 激しく振れている,どこかでエアーでも吸っているのかと思い、バキュームホースやインテイクマニーホウルドの取り付け状態を点検したが異常はない。
 次にフューエルプレシャーも2.3kg/cmmと正常である,そこでオシロスコープを使い点火波形と噴射波形のチェックをしたところ,噴射波形に異常,噴射時間が6mmsecもあった,ガソリンが濃いくなり過ぎて不調になるのは当然だ。
 この車はEFI Dジェトロニック方式なのでインテイクマニーホウルドのバキューム圧が低くなると燃料噴射時間が,長くなり燃量が濃くなる,そこでエンジン本体のトラブルでバキューム圧が下がりエンジン不調と判断した。
 シリンダーコンプレションも9.5kg/cmで異常なし、No1シリンダーを上死点にしてバルブタイミングを調べると数度のずれがあった。
 原因はタイミングベルトの伸びによるバルブタイミングのズレだった。
 OHCエンジンに比べるとDOHCエンジンはタイミングベルトがプーリーにかかる範囲が狭いため、わずかなベルトの緩みでバルブタイミングに大きく影響したためと考えられる。



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