「渋谷・DOUTOR・11:00」
今日は、久しぶりのデートだ。
付き合い始めてから、すっとおまえは
自分のこと「太ってる」って、口癖のように言ってたっけ。
「そんなに悩むほど太ってないだろう?」って、
いつもオレは思っていたけど、
人が持ってる、悩みを測る「ものさし」は
いろんな心でつくりあげられてきた、
世界で無二のものだから....
前のデートの時、冗談の延長で、
つい口にしてしまった、「体」のこと。
「次のデートの時を見てなさいよ!」って、
オレのこと気遣って、無理して笑ってた。
オレの人生最大の失言だった。
おまえを深く、傷付けた。ごめんな、ほんと。
そして、今日のおまえ....
さっきから、一言もしゃべらないし、
目は、真っ赤だしな。
そりゃ、客観的に見たら誰が見たって、
「やせてはいない」女性だろうよ。
あの日と比べても、見た目の変化なんて、
わからないだろうよ。
遺伝子とかで、どうしようもない要因って
あるんだよ。って、オレが言ったところで、
慰めにもならないこと、わかってる。
おまえが自分の為に、そして、オレの為に
「やせたい」って、誰より強く思ってること、
痛いほど、わかってる。
でもさ、
おまえがどれだけ努力したか、
どれだけ涙を流したか、
オレは知ってるよ。
その心も体も、誰よりも、魅力的だよ。
オレにしかわからないことかもしんないけど。
オレにだけ、素敵に見えるおまえかもしんないけど。
今日一日は、それだけじゃ、不満かい?
おまえが好きだ。
オレは、「あい」も変わらず、
おまえが、好きだよ。
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