地図にない場所へ


 『オレ…帰らなくちゃ。』

 どうして?どうしてキミが消えなくちゃいけないの…?あのとき、言葉に出来ないその気持ちを伝えるために、私は涙をこらえて 必死に首をふった。もっと前から知ってたんだよね、私を悲しませたくないから、だから黙ってたんだよね。私が究極召喚を 使ったら死ぬことを隠してたみたいに…けど、私もなんとなく気付いてたんだよ。だから、私も気付いてないフリしてた。でも、 キミのところに駆け寄った私は、キミの身体に触れることさえできなくて…。『本当に消えちゃうんだ』って思ったら、悲しくて どうしていいかわからなくて…、キミが消える前にいっぱいいっぱい伝えたい事があったけど、今までキミがガードとして、 仲間として、そして、私の一番大事な人として、ずっと私を支えてくれたこと、本当に嬉しかった。

 『ありがとう』

だから私はこの言葉をキミに送った、私の心の中の想いを出来るだけたくさん、キミに伝えるために。そしたら、キミは私を後ろから 優しくそっと抱きしめてくれて、すっごく暖かかったよ…あのときのキミの腕の中。でも、その後すぐに、キミは私の前から 消えてしまった…

 あの後ね、私しばらく落ち込んでたんだよ。ううん、私だけじゃない、キマリやワッカさん、ルールーにリュック、今思えば、 みんなどこかいつもよりも元気が無かった…きっと、本当にキミが消えるなんて誰も思ってなかったんだと思う。 だからかな?「シン」を倒した後、ベベルで寺院に報告して、ルカでスフィアTVのインタビューに受けたり、 祝賀パーティに出たり…その間ず〜っと、みんな一緒に行動してた。たぶん、私もみんなも、一緒に居ないと自分だけ取り残されて、 一人になることにどこか臆病になってたのかもしれない。

 これ、ワッカさんから聞いたお話なんだけどね。オーラカのみんなと会うために祝賀パーティーを抜け出して、ルカの街に出かけ たんだって。待ち合わせ場所でオーラカのみんなが来るのを待ってるとね、街は「シン」を倒したあとでしょ、お祭り騒ぎですっごく 人が居て、オーラカのメンバーの人ともなかなか会えなくて…、しばらく、待ち合わせ場所でぼ〜っと目の前を行き交う雑踏の、 自分が知らない、自分の知らない人達を眺めていたら、急に淋しくなったって。

 そうそう、そのときおかしかったのが、ワッカさんの顔。どうしてそう思ったのって聞いたんだけどね、 『う〜ん、なんつったらいいのかな〜…』って考え込んじゃって。今思い出しても面白いよ、ワッカさんには悪いんだけど。

 だからワッカさんが本当にどうしてそう思ったのかは私にもわからないんだけど…、なんとなくなら私、わかったってたんだ…。 きっと沢山の人の中にいても淋しかったのはね、一人でいることが淋しいんじゃなくて、自分が一人なんだって思うから淋しかったって。 だって、私たち一人一人が描いている日々はそれぞれ違う、この世界でスピラでたった一つの物語。でも、その物語には登場人物で 最初から居るのは主人公の自分一人だけで、他の登場人物はみんな、自分とその物語を共有してると思える人達なんだよ。 だからね…もし、自分が一人だって思って他の人のことを信じなかったり忘れたりすると、いくら自分が沢山の人の中にいても、 自分の物語の中では他のみんなは消えてしまう。そして、一人ぼっちになって淋しくなるんだと思うんだ…。けどね…私考えたんだ、 だったらその逆もあるって。一人ぼっちになっても、自分の物語の中から消えてしまった人を忘れずに信じていればきっと… きっといつか、また会えるって。だから、私…

 「ユウナ、時間よ…」
 「うん…今行くから…」
じゃあね…みんな待ってるから。ちょっとだけ、行ってくるね…

 「ひとつだけ、お願いがあります、いなくなってしまった人たちのこと…時々でいいから……思い出してください」
 ルカスタジアムに詰めかけた大観衆に向けて、私は改めて「シン」を倒したことを報告した。そして、最後にこの一つのお願いを して…事前の打ち合わせでは、私の報告はここで終わることになっていた。でも…
 「それでは、続きまして”シン”討伐記念ブリッツボール大会の…」
 「…ちょっと、待ってください!!」
司会者が打ち合わせどおりに、次のプログラムに進みかけたところに、私が割り込んだ。
 「あ、あのぉ…まだ、何か?」
 「はい…すいませんが、あと少しだけ、皆さんに言わなければならないことがあるんです」
 「は…はぁ、では、ユウナ殿どうぞ続けて下さい」
予定外の私の発言にとまどいつつも、司会者はマイクを置いてVIP席の隅に戻っていった。
 「…皆さん、実は私、また旅に出ます」
私のこの言葉にスタジアム中が騒然とした。
 「といっても、”シン”を倒す旅ではありません。”シン”は本当に居なくなりました。 ただ、その”シン”の体内での最後の戦いで、私の大切な人が、私の目の前からいなくなってしまいました。 …でも、私は信じています。その人が、何処に居るかわからないけど、きっと生きていると信じています。 だから、私はその人を探す旅にでます」
騒然としていたスタジアムはいつの間にか水を打ったように静かになって、そこに私の声だけが響いていた。
 「皆さんが、”シン”の傷跡から立ち直ろうとしているときに、一人だけこんなワガママを言って申し訳なく思ってます。 だから、他の人達に迷惑はかけれません。そのために、この旅は私一人で行きます。おそらく、”シン”が居なくなったとはいえ、 私のこの旅は辛く厳しい物になるでしょう。でも、私はそれを恐れたりしません。だから、皆さんも恐れないでください、 つまずくことを、辛いことを、悲しみを…、そして、いつかそれらがすべて、皆さんの心の中で、逃げない強さに変われば、 きっと皆さんは自分の物語を、未来を、見つけることができるはずです。…これで、私の話は終わります、最後まで聞いて下さって、 ありがとうございました。…機会があったら、また何処かで会いましょう…」
私は最後に深々と一礼をするとスタジアムの外へ向かう通路に向かって歩き始めた。その私の背中を押すように、 スタジアムの観客席に居た人々の割れんばかりの歓声と拍手が私の後ろからいつまでも聞こえてきた。

 「さ…もう、後には引けないからね…ユウナ」
 スタジアムのVIP専用控え室に戻った私は、改めて自分にそう言い聞かせると、あらかじめ用意して隠しておいた 旅の荷物を手にして、控え室の外の様子をドアの隙間から見た。思ったとおり、さっきまでは誰もいなかった控え室前の通路に、 見張りらしき寺院の僧官が数人立っていた。寺院がこんなことをする理由は一つ…私を旅に出させたくないから、 そして”シン”を倒した私に新生エボンの老師になってほしいから。でも、私には老師になるつもりなんて全然ない、 もっと言ってしまえば、新しいエボンにはそんな役職はもういらないと思うし、無くてもきっと人々はエボンに頼ることなく 自分の脚で立って歩けるはず。だから、私は寺院からの頼みを断ると決めた。しかし、寺院としては…
 「…そう簡単に諦めてくれないのよね…」
思わず苦笑いとため息が出た。
 「やっぱ、これ使うしかないっか…」
私はこのために用意していた映像スフィアを取りだして、ドアの隙間から通路に転がした。
 「?…なんだ?」
見張りの僧官が床を転がるスフィアに気付いた。その瞬間、小声で呪文を唱えて映像を再生させる。
 『グォオオオオオオ!』
 「も、モンスター?!」
”シン”を倒す旅の途中、映像スフィアの試し撮りで撮ったモンスターの映像が映し出され、その場にいた 見張りの僧官達は大パニックになった。
 「今だ!」
私は力一杯ドアを開け放つと、あわてふためく僧官達の間をすり抜けて、スタジアムの通路を外に向かって駆けだした。
 「ゆ、ユウナ様!!え〜い、全員ユウナ様をお引き留めするのだ!!」
私のその姿を見て、モンスターが映像スフィアのフェィクと気付いた僧官達が大声を上げながら私を追いかけてきた。 最初は僧官達と距離があったが、スタジアムの通路は迷路の用に入り組んでいて、なかなか出口に辿り着けない。 そうこうしているうちにも、僧官達と私の距離がどんどん無くなっていく。
 「だめ…このままじゃ追いつかれる…」
僧官達の手が私に届きそうになった瞬間だった。
 「ユウナちゃん、伏せろっ!!」
いきなり名前を呼ばれて驚いた私は、偶然躓いてその場に倒れた。
 「っしゃあぁ!!スリプルバスターっ!!」
直後、倒れている私の身体の上をブリッツボールのオフィシャルボールが通り過ぎ、そのまま私の後ろにいた 僧官達に命中した。私は起きあがったボールが飛んできた方を見た。
 「…ワッカ…さん?」
 「ったく水臭いぜ〜、ユウナちゃん。あいつを捜しに行くんなら俺にも相談してくれよ」
僧官達にぶつけたボールを拾って抱えながらワッカさんはそう言った。
 「…でも、言ったでしょ。私のワガママでみんなに迷惑はかけれないって…だから、一人で…」
 「なに、言ってんだよ〜。誰が迷惑だって言ったんだ?俺だって、あいつには会いたいし、ブリッツボールで まだまだ教えてもらいたいことあるしよ。それに、なにより俺はユウナちゃんのガード、仲間なんだぜ」
 「ワッカさん…」
 「っと、話はあとあと、さっさと行こうぜ。じゃないと…」
 「ユウナ様〜!!」
 「ほ〜ら来た…よしっ、こっちだ」
追いかけて来る僧官達の声を聞いてワッカさんが私の手を引く。
 「え、で、でもそっちは、倉庫で行き止まり…」
 「だ〜いじょうぶ、俺にとってこのスタジアムは庭みたいなもんだ。昨日や今日、見取り図だけ見て通路を暗 記した僧官どもにゃ追いつけね〜って!!」
ワッカさんに手を引かれるまま私は通路を駆け抜け、倉庫に入った。
 「ど、どうするんですか?」
倉庫の中は長い間、使われていないのかあちこちホコリまみれで、ブリッツボールの試合関係の備品や、書類が詰まっている 段ボールや大きな木箱が煩雑に積み上げられていた。
 「ん?まぁ見てなって…、確かこのへんに…」
ワッカさんは私の手を引きながら倉庫の中をどんどん奥に、何かを探しながら進んでいく。
 「お、ここだここだ」
倉庫の一番奥の隅、段ボールと木箱の影になるようにして一つのドアがあった。 ドアの上には緑色の案内板…ということは非常口?
 「驚いたろ?ここは今は倉庫だけど昔は選手の控え室の一つだったんだ。だからこんなのが残ってるのさ。 と、説明より逃げなきゃな…って?ん…あ〜?ど〜なってんだこりゃ?」
ドアノブをがちゃがちゃとやりながらワッカさんが大声をあげた。
 「ど、どうしたんですか?」
 「くっそ〜、ドアノブが壊れてやがるっ!!」
 「ええっ?じゃ、じゃあどうするんです?」
 「…俺が全力でこのボールで叩き壊してもいいけど、そしたらその音ですぐに見つかっちまうし、 かといって今から他のルートで逃げるのは…」
その時、突然ドアの反対側からガスッっという鈍い音がして、私とワッカさんはその音のした方を見た。 すると、ドアのノブを貫いて向こう側から鋭い刃物の先のような物が突き出ていた。
 「だ、誰だ?」
ワッカさんの声に反応したかのようにその刃先が引っ込むと、鍵が壊れたドアがゆっくり開いた。そしてそこから現れたのは…
 「キマリ!!」
 「ユウナ、こっちだ!!」
 「な、なんでキマリが…」
どうしてキマリがここを知っているんだろう…その謎はワッカさんとキマリのやりとりですぐわかった。
 「ルールーが言ってた。ワッカがボール持って居なくなったのは、きっとユウナの所に行ったから。そして、 ユウナを連れてくるときはこの抜け道を使うと」
 「ルーのやつなんで?…あ、そ〜いや、チャップの奴もこの抜け道知ってたからな…ま、とにかく助かったぜ」
 「ユウナ、キマリの肩に乗るといい」
 「え?きゃっ!?…」
いきなり、私の身体をキマリが持ち上げてその肩に乗せてくれた。荷物もキマリがその手に持ってくれている。 と、キマリが私にだけ聞こえるぐらいの小さな声で呟いた。
 「ユウナ…ユウナの前はキマリが守るとロンゾの誇りにかけて誓った。そして、それは今も変わらない」
 「ありがとう…キマリ…」
 「おい、いくぜ、キマリ。ユウナちゃんを天井にぶつけるなよ!」
 「わかってる。大丈夫だ」
私はそのままキマリの肩に揺られながら、非常口の先の通路を進んでいった。普段使われていないようで、 通路の灯りも非常灯だけの薄暗い通路をどれくらいすすんだのか…やっと通路の先に灯りが見え、 その中に人影が…ルールーの姿があった。
 「早く、こっちよっ!!」
 「ったく、ルー…協力…してくれるならなんで…はぁ…最初から…俺と一緒に来ねぇんだよ…」
息を切らせながらワッカさんがルールーに訪ねた。
 「あら?私は走ってあなた達に付いていくのは無理だと判断したからこうしてここで待ってたのよ… それともワッカ、あなたがキマリみたいに私を担いで走ってくれた?」
 「な…なんだよそれ!何で俺なんだぁ〜?」
 「ふふ、それは冗談よ…でも、ここで私が残ってなければ、今頃あなた達、その細い通路でこの 僧官達に鉢合わせしていたところよ」
ルールーに言われて私もワッカさんも初めて気付いた。私たちが非常口を通って辿り着いたここは、 メインゲートに通じる一般客席の入場通路の途中で、その床のあちこちには僧官が倒れていた。
 「はぁ〜しっかし、ルー、派手にやったな〜…」
倒れている僧官の間を縫うようにして、通路をメインゲートに向けて歩いていく。
 「そう?雷系の魔法でちょっと痺れてもらってるだけだから、命に別状はないんだけど」
 「ま、これでもう逃げ切れたも同然だぜ!!」
ワッカさんのその言葉と周りで倒れている僧官達の姿に、私たちは安心しきっていた。しかし…
 「そうはいきませんぞっ、ユウナ様っ!!」
メインゲートから一歩外に出た私たちの目に飛び込んできたその光景に私たちは一瞬言葉を失った。 メインゲート下の階段を完全に封鎖するように数十人の僧官達が私たちを待ちかまえていた。
 「てめぇら、しつこいぜっ!!ユウナは老師になんかならないって前から言ってるだろ〜が!!」
 「それは解っています。しかし、我々には指導者が必要なのです。でなければ、エボンは…」
ワッカさんの言葉に僧官達の中で一番位が高そうな男性が反論した。
 「いや…エボンだけじゃない、これまでエボンとその教えだけを信じていた人々や我々僧官はどうなるのです? 突然、信じる物のすべてを失った我々はこれからどうやって生きて行けばいいと言うのですか?」
 「…く、そ、それは…」
その僧官の問いにワッカさんが口ごもる。その様子を見て、私は彼らと話をしようと、キマリの肩から 降ろしてもらって出来るだけ僧官達と対等な目線で、優しい声で僧官達に語りかけた。
 「皆さん、さっきの私の話聞いてくれてましたよね」
 「…はい」
私のちゃんと話し合いたいという気持ちが伝わったのか、僧官の返辞はさっきまでのワッカさんと 言い争った声とは全然違う、静かな返辞だった。
 「そしたら、信じる物を…エボンとその教えをを失ったことをを恐れないでください。悲しまないでください、 エボンと教えが無くなった未来を辛い物だと思わないでください…」
 「…しかし…それは…」
他の僧官達から向けられる視線で彼らの言いたいことはわかっていた私は、その言葉を遮った。
 「そう…それは口では言うのはたやすいことですけど、実際にやるとなると本当に大変なことです。 でも、それは一気にやろうとするからなんです…ゆっくりでいいんです、焦らなくて良いんです。 まずは、あなた方の物語の中で、昨日までの過去に縛られてうつむき、膝を抱えている自分の両手を広げて、 今日からはその手で涙を拭いてみて下さい…そうすれば、涙で霞んで見えなくなっていた未来が少し見えるかもしれません。 そして、それこそが…つまずくことや、悲しみや、辛さを逃げない強さに変えてくれる大きな支えになるはずだから…」
私はそこまで話すとそっと、僧官達に背を向けた。もう、私にこれ以上話せることはありませんという 私の最後の意志を伝えるために。暫く、沈黙が続いた。そして…
 「ユウナ様、あなた様のおっしゃりたいことはよくわかりました…しかし…それでも今、私たちはあなた様 を失うわけにはいかないのです!」
その言葉を合図に僧官達は今にも飛びかかってこようとしないばかりに身構える。
 「ちいっ、仕方ねぇ、ルー、こうなりゃ強行突破しかねぇ。やるぞ!」
 「そうね…私も出来るだけ手荒なマネはしたくないんだけど…」
私の目の前でもワッカさんとルールーが身構える。どちらも迂闊には動こうとしない。お互い黙って 睨み合ったままの状態が続いていた。そのとき突然、今まで晴れていた空がいきなり暗くなって私たちや 僧官達の足元の影が大きな影に飲み込まれた。
 「上?」
私も含めて全員が空を見上げた。
 「!飛空底!?もしかして…」
 「ユウナ!大丈夫!!」
 「リュック!!」
 「危ないから下がって!!」
飛空底のデッキから聞き慣れたリュックの声が聞こえてきてすぐ、一本のワイヤーが私たちの目の前に打ち込まれる。
 「それに掴まって!!」
 「っしゃ、いくぞっ!」
ワッカさんの声を合図にキマリが私を自分の肩の上に乗せると、いっせいにワイヤーに駆け寄って掴まった。
 「いかん、逃がすな!!」
 「君たちには、これあげるっ!!いっけぇ〜カオスグレネードっ!!」
私たちがワイヤーに掴まるのを阻止しようとする僧官達の目の前に、飛空底の上からリュックが彼女の調合した、 特製グレネードが投げ込まれて大爆発を起こす。その間に私たちが掴まったワイヤーは打ち込まれた地面から引き抜かれ、 爆煙が収まって私たちに逃げられたことに気付き、あわてふためいているであろう僧官達の姿は、 私たちがワイヤーを登り切って、飛空底のデッキから地上を見たときにはもう、ほとんど見えなくなっていた。

 「ごめんね…ちょっと帰ってくるの遅くなっちゃった…」
今日はいろいろあったから…でも、そのおかげでわかった、私だけじゃなかたって、みんなキミが生きてることを、 キミに会えることを信じてるって。だから、絶対みんなで行くからね、キミの居る場所が地図に無い場所だとしても…

 「あれ、ユウナ?こんなところで何してるの?」
 「リュック…うん、ちょっと夕日…見てたんだ」
 「夕日?あ…ほんとだ、すっごい綺麗〜。ね〜ワッカ、ルールー、キマリ、来てみなよ〜、すっごい綺麗だよ〜!!」

…これからみんなと一緒に旅する毎日の出来事を、想い出のページというキミに聞いてもらいたい、私の物語として紡ぎながら…。


END


あとがき:ども、Kallでございます。以前からちょこちょこお知らせしていた、残暑お見舞い小説第二段、FF10のED後(一部EDを描写)小説です。今回、FF10で初めて、小説書きましたが…意外や意外、結構上手くいって書いた本人が驚いてます(笑)が、これもすべて今回のモチーフに使った曲(Janne Da Arcの”Will〜地図にない場所〜”)の歌詞のイメージがFF10に良く合ってたから…だとは思いますが、それ以上の発見として、FF10もほぼFF8と同じ要領(たとえばの話、FF8の世界に有ってFF10の世界に無い機械は”なんとかスフィア”ってので代用すればいいとか。)で書けるというのは大きな収穫でした。ってことで、これからも良いアイディアがあればFF10は書く…かもしれないですv