想い出のセブンスコード


 煌びやかなネオンが渦巻く大通り、その路肩に一台の黒塗りの高級車が止まっていた。 その車の運転席からは黒の上下で揃えたスーツ姿、年の頃は50代ぐらいの男がハンドルにもたれかかって、 街を行き交う人々の姿をサングラス越しに追いかけていた。その様子からは、一目で彼がこの車の運転手 だということが見て取れる。そして、その運転席の丁度真後ろの後部座席には相当な人物が乗っているに 違いない事も容易に想像できた。何処の大会社の社長なのか、はたまた芸能人なのか…その車に気付いた人は 誰もがスモークガラスに遮られた後部座席を見てそんなことを思ったに違いない。そんなことを知ってか知らずか、 スモークガラスの向こう、後部座席に座っていた人物は革張りのシートに深く身体を沈めて静かに目を閉じていた。
 「大統領っ。ご要望の物買ってきました!」
その静寂をうち破るかのようにいきなり後部座席のドアが開いたかと思うと、大きな紙袋を抱えた青年が 息を切らせながら後部座席の歩道側から乗り込んできた。
 「アレク、私がいつも言っているようにドアを開ける前にはノックぐらいしたまえ。それに、 公務の時間以外では私の事を役職で呼ばないように注意しているだろ?仕事を離れたら私は大統領やガルバディア軍の 大佐である前に一人の人間なのだからな…」
差し出された紙袋を受け取りながら大統領と呼ばれたその男は、呆れたようにスーツ姿の青年、アレクに注意した。
 「す、すいません大統領…じゃなかった、カーウェイさん」
アレクはドアを閉めながら頭を下げる。彼のそんな多少なりとも反省している様子にとりあえず納得したガルバディア大統領 ことフューリー・カーウェイは”ま、いいだろう…”と呟くと、もたれていたシートから少しだけ身体を起こして 運転手に声をかけた。
 「とりあえず、車を出してくれ」
 「はい。行き先はご自宅でよろしいですね」
運転手はハンドルにもたれかかっていた身体を起こすと、イグニッションに刺さったままのキーを回す。 軽い振動と共にエンジンがスタートしてカーステレオからスローテンポのジャズが流れてくる。
 「そうだ。さすがにわかってるな、君は」
 「ええ、貴方とは長い付き合いですからね」
バックミラー越しにカーウェイに笑いかけると運転手はゆっくりと車を発進させた。

 「パパ、お帰りなさい」
玄関のドアを開けたカーウェイ達を明るい声が出迎えた。その勢いに、カーウェイの後ろに立っていた アレクは危うく手に持っていた荷物を落としそうになった。
 「だ、大丈夫ですか?」
咄嗟に一人の少女がアレクに駆け寄ると、彼の持っている荷物に手を添えてその顔をのぞき込んだ。
 「…だ、だ、大丈夫っす。自分、日頃から訓練で鍛えてますので…」
荷物を抱える腕に力を入れてしっかりと持ち直す。と、自分を見つめる黒曜石の瞳に気付いたアレクは慌てて視線を外した。
 『…き、綺麗な人だなぁ…カーウェイ大佐のお嬢さん?だよな…』
少女をまともに見れたのは一瞬だった。彼、アレクにとって自分と同年代の女性とこれほど身近に接する機会はこれまで 皆無だったと言っていい。物心付いたときから今まで通っていた学校はずっと男子校、その後ガルバディアの士官学校時代や 軍に入隊してからも何故か女性とは縁遠い学科や部署ばかりだった。そんなアレクにとって目の前に突然現れた美しい少女、 しかも白のワンピースの上に薄いピンクのエプロンという姿に、一瞬ではあったが自分がドラマのワンシーンにでも 迷い込んだかのような錯覚を感じてさえいた。
 「早いな…もう帰ってきていたのか」
アレクのそんな様子もお構いなしに、ともあれ家に帰ってきて誰かに出迎えられるのは何年ぶりのことだろうか などと思いながら、カーウェイはコートと上着をその少女−彼の娘であるリノア−に手渡した。
 「うん。スコールの仕事が予定よりも早く片づいたから…」
リノアは受け取ったコートと上着を腕に掛けると、父親が玄関の扉をくぐるより一瞬早く室内に戻ると玄関に スリッパを並べる。
 「少しは気が利くようになったか…」
娘の成長した一面を垣間見れたようで、カーウェイの顔にも自然に笑みが浮かぶ。
 「そりゃあもう…これでも一応、花嫁修行中の身ですから」
 「は、はなよめしゅぎょうぉ〜!?」
カーウェイがリノアと並んで廊下を歩き出そうとした瞬間、すっとんきょうな声が聞こえたかと思うと、 背後からドサドサと荷物が落ちる音が聞こえた。
 「す、すいません。急いで片づけます〜!!」
 「だ、だから心配してたのにぃ〜!あ、パパは先に奥行ってて。あたし手伝ってから行くから」
 「…わかった」
 リノアの手に掛けていたコートと上着を受け取ると、散らばった荷物をあたふたと片づける アレクの手伝いを始めた娘の様子をしばらく眺めてから、カーウェイは静かに廊下の奥に消えていった。

 それから約10分、ようやく散らばった荷物の全てを拾い終えると、荷物を詰め直した紙袋をアレクが再び抱えなおした。
 「も、申し訳ないっす。カーウェイ大佐のお嬢さんにこんなこと手伝わせてしまって…」
 「い〜んですよ。さ、どうぞ、中へ…」
カーウェイのときと同じようにリノアがアレクの足元にもスリッパを整える。
 「でも、大佐にこんな綺麗なお嬢さんが居るなんて驚きっすよ〜」
アレクは抱えた荷物の横からのぞき込むようにしてそのスリッパを履くと、先を歩くリノアの後に付いていく。
 「あれ、パパからはあたしのこと何も聞いてないんですか?でもまぁ確かに、昔から仕事人間だしなぁ…」
 「あ、いやご家族のこととかお嬢さんが居ることは知ってましたよ。でも、なんていうんですかね、ほら、 どんなお嬢さんで今何してるとかは…あ、すいません…っと…全然聞いたことなくて……?!」
荷物を抱えたまま廊下を暫く進んだところで、リノアが開けてくれたドアをくぐったアレクはそこで 信じられない光景に言葉を失った。
 「か、カーウェイと…ら、ら、ラグ、ラグナ大………」
リビングの隅にあるカウンターバーに座って男が二人、ワイングラスを傾けている。そのうち一人はこの家の主、 そして青年も良く知っているカーウェイ。しかし、もう一人は青年がこの家に入ってきて、いやガルバディアと いう国に居る時点ではまず想像できない人物だった。
 「あ、ラグナさん!それにパパも!もう飲んじゃってるの?!」
リノアがラグナと呼んだもう一人の男、この世界でガルバディアと双璧を成す大国エスタ大統領の ラグナ・レウァール。そんな大物が何故ガルバディアの、しかも自分の上司であるカーウェイと談笑しながら ワインを傾けているのか…余りにも衝撃的、そして今まで想像したことさえなかったシーンを目の前にして、 アレクはただ呆然と立ちつくすしかできなかった。そんなアレクを置き去りにして、リノアはさもそれが当たり前かのように (もちろん、リノアにとってみればこれはありふれた日常茶飯事の光景なのだが)カーウェイ、 そしてラグナに対して振る舞っていた。
 「…すまんな。私は別によかったんだが、ラグナ君がどうしてもとね…」
ワイングラスをラグナの方に傾けながら、カーウェイが苦笑いで答える。
 「お、俺はただ大佐も帰ってきたことだし、リノアちゃんの手を煩わせるのも悪いかなって思ったからで…」
 「…要は単に我慢できなくなかっただけだろ…」
そのとき、ラグナの話の腰を折るように別の方向から誰かが割り込んだ。
 「にゃ、にゃんだとぉ〜!!!お前には前から言おうと思ってたんだけどな……」
皮肉混じりの一言に、ラグナがくってかかる。ショックから少しだけ立ち直っていたアレクは天下のエスタ大統領に もの申す人物を追って視線を動した。カウンターバーから少し離れた庭に面した窓の側、高級そうなリビングセットの ソファーに座って片手に持った文庫本を読んでいる男には見覚えがあった。
 『あ、あの人もしかして…』
ガルバディアの士官学校時代に使っていた教本に乗っていた写真と同じ顔、そして額のキズと ソファーの傍らに置かれているガンブレード…でも、どうしてそんな有名人がこんなところに… もしかして自分は夢でも見てるんだろうか?アレクは荷物を右手だけ抱え直すと空いた左手で自分の頬を抓った。
 『い、痛っ…やっぱり夢じゃない…よな。』
そうしてようやくアレクが目の前の出来事に現実感が持てたときにはラグナとスコールの言い争いは 一応の落ち着きを見せていた。
 「…で、反論は?」
 「う゛……、あ〜そうですよ、いっつも俺が悪者ですよ〜だ。ったく、どこでこいつの育て方間違ったのかなぁ…」
表情一つ変えずに小説に視線を戻すスコールと、ふてくされてグラスのワインを一気に飲み干すラグナ… 二人の様子が余りに対照的だった。
 「とにかくこ〜いうことになってるから、悪いんだけど料理の方、スピードアップでお願いしますっ」
 空になったワイングラスをカウンターに置いたラグナがリノアに向かって両手を合わせる。
 「はいはい、わかりました…あ、荷物ありがとうございました〜。あとはそこら辺に適当においといてください。 あたしが後で片づけますから」
 「は、はぁ…そ、それじゃあ…」
リノアに促されてアレクは抱えていた荷物をリビングとダイニングの間にあるカウンターに置いた。
 「あ、じゃ、じゃあカーウェイさん、僕はこれで…」
そう言って廊下のドアに手を置いたアレクに、カーウェイが声をかけた。
 「ん?もう帰るのかね?」
 「は、はぁ…」
 「よかったら一緒にどうだね?なぁ、ラグナ君」
 「い、いいんすか?」
カーウェイからの思いも寄らぬ一言に興奮して、一瞬にしてアレクの顔が紅潮する。
 「ん〜、OK。OK。自国以外の若い人と語り合うのも外交、そしてこれ大統領の仕事」
ボトルから手酌で自分のグラスにワインを注ぎながらラグナもそれを快諾する。
 「あたしもいいよ〜。今日は腕によりをかけて美味しい料理た〜くさん作ってるから是非感想聞かせて欲しいな〜♪」
キッチンのほうから包丁の小気味よい音と共にリノアが答える。
 「…リノアがいいなら俺は何も反対する理由はない…」
アレクの方を振り返ってそう言うとスコールの視線は再び手元の小説に戻された。
 「…だそうだ。ほら、そんなとこに立っていないでこっちに来て座りなさい」
食器棚から取りだした新しいワイングラスをカウンターバーの自分の席の隣に置いた。
 「あ、じゃ、じゃあお言葉に甘えさせていただきますっ!」
まだ緊張が解けないのか、アレクの動きはどことなくぎこちない。
 「それじゃあ、乾杯もやりなおしだな…」
椅子に座ったアレクがワイングラスを手にするとカーウェイがすかさずそこにワインを注ぐ。ボトルから赤褐色の 液体が流れ落ちるたびに、トクトクという小気味よい音とほのかな葡萄の香りが辺りに漂う。
 「では…乾杯」
 「か、乾杯っ!」
カーウェイに続いて軽くグラスを掲げるとアレクはその中身を一気に飲み干した。
 「おっ、なかなかイケる口だねぇ〜」
その様子を見たラグナが嬉しそうに空になったアレクのグラスに、すかさず二杯目を注ぎに来た。
 「は、はい。自分士官学校時代は仲間内でも酒豪ってことで通ってたっす。しかも、光栄っすよ〜、 エスタの大統領に注いでもらうなんて…」
恐縮しながらラグナのお酌を受けたアレクはそれをまた一気に飲み干す…と、ラグナが嬉しそうに 『さすがに強いね〜、ささ、もう一杯』と再び空になったグラスにワインを注ぎ始めた。
 「え、あ、は、はい。光栄っす、もう一杯頂きますっ……」
そのとき、アルコールの影響で緊張の糸が解けたのか、グラスに満たされている赤ワインを見ていた アレクの脳裏にある疑問が浮かんだ。
 『そ、そもそも今日のこの集まりってなんなんだ?!』


−−それから4時間後−−


 「…う、あ、ぼ、僕はいったい…」
 ロックグラスを右手に持ったままカダイニングテーブルに突っ伏して、微動だにしていなかったアレクが、 ゆっくりと顔をあげたかと思うと久しぶりに声を発した。
 「おう、大丈夫か青年?すっかり酔いつぶれてるかと思って心配したぜ」
その正面に座って相変わらず手酌でワインを飲んでいるラグナが、気の毒そうにその顔をのぞき込んだ (実はアレクを酔いつぶさせた元凶はラグナなのだが…)。まだぼんやりしている意識のせいで最初は よくわからなかったが、壁に掛かっている時計の時刻から考えると、あれから4時間は経っている。
 「つぅ…飲み過ぎたぁ…」
覚醒して時間が経つに連れて感覚が鮮明になってきたアレクを軽い頭痛が襲う。本能的に冷たいモノを 求めたアレクは右手のロックグラスを額に当てる。氷が溶けてカシャリという音がしてグラスの中で踊るたびに、 少しずつ酔いつぶれる直前までの記憶が戻ってきた。

 4時間前、カウンターバーで飲んでいたカーウェイ、ラグナ、そしてアレクの3人は夕食の準備ができた というリノアの言葉でダイニングに移動する。夕食のメニューはリノアが自信を持って宣言していたとおり 豪勢なメニューだった。メインディッシュはクリームシチュー(自称リノアの得意料理)と冷製のローストビーフ、 サイドメニューにはバラムフィッシュのカルパッチョにシーザーサラダ、さらにデザートとしてブッシュ・ド・ノエル… と、下手なレストランも顔負けの料理がダイニングテーブルに並べられていた。
 少し送れてスコールを連れてきたリノアが席に着いて、夕食が始まった。アレクの改めての自己紹介が 最初にあった以外は至って普通の夕食の光景だった。料理の美味しさとアルコールが適度に入っていたおかげで、 ついさっきまで見ず知らずだったアレクもすっかりなじんで会話も弾んでいた。
 2時間程して料理もあらかた食べ終わると、カーウェイはスコールと共にリビングでチェスの勝負を始め、 リノアは空になった料理の皿を洗うためにキッチンに立った。こうして、ダイニングに残ったのはアレクと ラグナの二人だけになったが、ここからがアレクにとって悲劇だった。ラグナと二人、グラスを傾けているうちに どんどんアルコール度数の高い酒がどんどん入ってきた。ウイスキーにブランデー、果てはジンやウォッカまで… 気が付けばワインを水のように飲み干しているラグナの様子を見て自分以上の酒豪の存在を痛感し、 このままじゃヤバいと思ったときはもう手遅れだった。目の前がピンぼけみたいに霞んだ次の瞬間、 健闘虚しくアレクの意識は深い泥の中に沈んでいった。

 ようやく今日これまで自分に起こった出来事の整理ができたアレクにはどうしても気になっていることがあった。
 「と、ところで今更なんすけど…一つだけ聞いてもい〜っすか?」
頭痛に響かないようにアレクは小声でラグナに話しかける。
 「ん?おお、何でも質問してくれたまえ!このラグナさまがすっきりくっきりお答えしましょう!」
自信満々なラグナを見てアレクはついに4時間前に浮かんだあの疑問を口にした。
 「ぶ、ぶっちゃけ聞きたいんすけどぉ〜、きょ、今日って何の集まりなんすか?」
 「え?…あれ、大佐ぁ〜彼には今日のこと何も話してなかったんすか?」
リビングでスコールとチェスに興じているカーウェイにラグナが問いかける。
 「ん?ああ、そういえば…いや、さっき玄関で荷物を拾っていたときにリノアが喋ったかもなとは思っていたが…」
顎に手をやりアレクとのやりとりを思い起こしながらカーウェイが答える。と、同時にカーウェイが手にした黒のクイーンが ”これでどうだ”と言わんばかりにチェス盤の中心に躍り出た。
 「あ、パパひど〜い。あたしそんなにお喋りじゃないわよ〜」
キッチンの電気が消えてリノアがダイニングに入ってきた。エプロンを外してダイニングの隅にある小さな 物置台の上に置くと、代わりにその上にあった果物カゴをダイニングテーブルに持ってきて、アレクの斜め前に座った。
 「要はみんな誰かが話したつもりになってたんでしょ?ね?スコール」
リノアの声と一緒に、果物ナイフでリンゴの皮をむき始めたシャリシャリという音が、 リビングのスコール達の所まで聞こえてきた。
 「…ああ、リノアの言うとおりだ。これは単純な連絡ミスですよ、カーウェイさん。………それと、チェックメイトです…」
リノアの言葉に同意しながらスコールの動かした白のナイトは、見事にカーウェイの黒のキングを追いつめていた。
 「あっ……ふぅ、これで1勝4敗か…さすがは伝説のSeeD。遊びでも手加減無しだな…」
すっかりしてやられたという表情でカーウェイはコマを元に戻し始めた。
 「よ〜っしゃ、次は俺が相手だ!」
ワイングラスを置いたラグナが意気揚々とチェス盤のところに向かう。
 「……勘弁してくれ、いいかげん疲れた。というか、カーウェイさんならまだしも…ラグナ、あんたじゃ役不足だ」
 「にゃ、にゃにぃ〜?!」
 「…第一俺との戦績は?」
 「…38戦37敗1引き分け」
 「引き分け?スコール、チェスに引き分けなんてあったっけ?」
果物ナイフとリンゴを動かす手を休めて、リノアが尋ねる。
 「…この男、チェックメイト一歩手前でチェス盤をひっくり返したんだ…」
 「あ、なるほど、だから勝敗がわからなくて引き分けなのね…あはははは♪」
果物ナイフをおいて、お腹を抱えて大爆笑しているリノアの横でその様子を呆然と見ていたアレクがぽつりと呟いた。
 「あ、あのぉ…僕の質問のふぁいなるあんさ〜はいったい…」
 「あは、あははあ〜あ…っと、あ、ごめんなさい〜、パパ〜、ママのこと別に話しちゃってもいいんだよね?」
リノアがカーウェイに声をかけるとチェス盤から顔をあげて『ああ』とだけ言って頷いた。それを確認したリノアは、 アレクの質問に静かに答え始めた。
 「あのね、今日はね、あたしのママの誕生日なんだ…」
自分の質問に対して想定していなかった答えが返ってきたアレクは動揺を隠せなかった。
 「え、ちょ、ちょっといいっすか…お嬢さんにとってママってことは、カーウェイさんの奥さんっすよね?」
 「そ、あたしのママ、ジュリア・カーウェイ。旧姓だとジュリア・ハーティリー。デビュー曲”Eyes On Me” でいきなりのトリプルミリオンヒットでガルバディアの音楽シーンに彗星の如く現れた歌姫。その後も次々と ヒット曲をリリースしてあっという間にその人気は全国区に。でも、そんな人気絶頂の時に突然の結婚、そして引退……。 これ以上は説明しなくても…いいよね?」
自分の母親のことを嬉しそうに説明していたリノアの表情が最後の一瞬だけ曇る。そこまで聞ければもう十分で、 あとはアレクも良く知っていることだった。不幸な事故で早すぎる生涯を閉じた…誰かの最期を他人が客観的に 口にするのは簡単でも、それが家族や友人にとってはどんなに時が流れても辛いんだ… アレクは黙って頷くことしかできなかった。
 同じ頃、リビングのほうではリノア達の様子を気にしたラグナとスコールがなにやら小声で言い争っていたが、 チェスのコマを最初の配置に戻したカーウェイが静かに席を立つと急に静かになった。 気になったアレクが横目でリビングを見ると、そこにはカーウェイが座っていた椅子はすっかりラグナに占拠され、 少し不機嫌そうなスコールが気だるそうに駒を進める様子があった。
 それから暫く沈黙が続いた。ラグナとスコールは無言でチェス盤に向かい、リノアは一個目のリンゴを 剥き終えて二個目のリンゴに取りかかっていた。席を譲った(奪われた?)カーウェイはといえばしばらく ラグナとスコールの対戦をその側のソファーで観戦していたが、不意に立ち上がるとダイニングに入ってきて、 アレクの正面に座ると新しいグラスにラグナが起きっぱなしにしていたボトルからワインを注いでそれを飲んでいた。 そんなカーウェイに対して急に姿勢を正したアレクが頭を下げた。
 「…すんません、いいカンジだったのに変なこと聞いちゃって…」
 「…うむ…まぁ、話していなかった私にも非はあるからな、気にするな」
申し訳なさそうにする部下を気の毒に思ったのか、それとも他の何かがそうさせるのか… アレクにかけるカーウェイの言葉はいつになく優しかった。 そんな父親の様子を見ていたリノアがこの重たい空気をなんとかするのは今がチャンスとばかりに、ある提案を切り出した。
 「ね?パパ。今日はママの誕生日なんだからママの話してよ♪初めて会ったときの話でもプロポーズのときの話でもいいから☆」
 「お、おいおい、急にそんな…」
娘からの突然のご指名にカーウェイは飲んでいたワインを吹き出しそうになる。
 「お、い〜じゃないの、大佐〜。あのジュリアを大佐がどんな大人のみりきで落としたのか興味あるなぁ〜」
リビングからラグナの明るい声がリノアを後押しする(実のところ一番沈黙に耐えられて居なかったのはラグナだった・笑)。
 「ほら。ラグナさんも聞きたいって〜、ね、話してよ〜」
 「わ、わかったよ、リノア。1回だけ…次はどんなに頼まれたって話さない…ほんっとうにこれで最初で最後だからな…」
照れ隠しからなのかそんな念入りな前置きの後に、カーウェイはジュリアとの想い出を少しずつ語り初めた……


 もう20年近く前になるかな…その頃、私は軍の中でキャリア組として生きていくことに疑問を持ち始めていた。 最前線の現場や実戦の経験も無い私が、士官学校のエリートコース出身というだけで、階級だけはすでに少佐という 地位を与えられ、何十人もの部下を率いるという現実は私にとって息苦しい毎日だった…ん?今はどうなのかって? おいおい、急にそんな質問はしなくてもいいだろ?ラグナ君。まぁ、今は誰かの上に立つということにもすっかり 慣れてしまったよ。現場や実戦経験については…私の口から説明する必要のあるまい。君のことだエスタの諜報部から 私の実績は聞いてるんだろ?そろそろ、話を元に戻してもいいかな?…よろしい、では続けようか。
 そんな憂鬱な毎日を送っていたときだった、その日、私はとある政治家のパーティに招待されていた。 場所はもちろんデリングシティにあるあのホテル…確か一番大きいホールだったかな…すまないが、 その辺はあんまり詳しくは覚えてないんだ。なにしろ適当に挨拶を済ませた後は早々にパーティ会場を抜け出していたのでね。 抜け出した理由?そんなものは特になかったよ、強いて言うなら政治家や軍上層部の老人達を相手にするのに 心の何処かでウンザリしてたのかもしれないな…ともかく、会場を抜け出した私はホテルの地下にあるバーで時間を潰すことにした。 すぐに帰ってもよかったんだが、ホテルのフロントにはパーティの受付係が居たから、そこで呼び止められたりすると 厄介だと思ってね。バーの中は時間帯が早かったせいか人はそれほど多くなかったが、カウンター席だけは空いてなくてね。 仕方なく、カウンターから近い壁際のボックス席に座ることにした。
 『ご注文は?』
席に座るとすぐにメニューとグラスに入ったミネラルウォーターが差し出された。 俯いていた視線をあげるとオーダーを取りに来たボーイがいた。
 『…ドライマティーニ…あとは適当に持ってきてくれ…』
私はメニューを開くこともなく手短に注文だけするとボーイから視線を外して、グラスのミネラルウォーターを一口飲んだ。
 『承知しました…』
 ボーイが去ってそのあと注文が来るまでの間は…悪いがこれもすっかり忘れてしまったよ。 きっと、本当にくだらないことを考えていたんだろう。それで、だ。注文したドライマティーニとつまみが私のテーブルに 並んで暫くしたときだった。辺りが少し騒がしくなったような気がして視線をあげると、 さっきまで空席だったテーブル席がすっかり埋まっていてね。バーの奥にあるステージでは2・3人のボーイ達が マイクスタンドやスピーカーの調整をしていた。
 『今から誰か歌うのか?』
別段興味があったわけじゃなかったんだが、丁度私の近くを通りかかった少し年輩のボーイが居てね。 空になったグラスを差し出しすついでに尋ねてみたんだ。
 『ええ、今から当ホテル自慢の歌姫の登場ですよ。ステージに立ちはじめてまだ1年とちょっとなんですけどね、 いいですよ〜。最初は確かね流行りの曲とか歌っててたんですよ、で、その頃から歌唱力は抜群で聴き応えあったんですけどね、 他の半年ぐらい前からかな〜、彼女がオリジナルの曲を作ってきたんですが…これがまた彼女の声の 魅力を引き出す良い曲なんですよ〜。』
そしたら、グラスを受け取ったそのボーイは頼んでも居ないのに人なつっこい笑顔で私の問いに親切に 答えてくれたんだけどね…、ふっ、思えば若かったんだよ私も…。
 『ふ〜ん…』
途中から『そんな、長々と説明は要らないんだよ』…っていう思いが先に来てね。 生返事と新しい酒を注文してあとは店に入ってきたときと同じさ、視線を外して知らんぷり。 きっと裏では『この若造が…』なんて言われてたかもしれないな…おっと、話がまた逸れてきているな。 といっても、ここからまたしばらく記憶が無くてね…次に気付いたとき、というよりも、 鮮明に記憶に残っているのはステージに立つあいつの…ジュリアの姿だった。
 『…皆さん、こんばんは。ジュリア・ハーティリーです。』
彼女の透明感のある声は、白昼夢を彷徨っていた私の意識を現実世界に呼び戻すのに十分なインパクトだったよ。 そして、両手でマイクを持ってスポットライトの中心に立つ彼女の姿に私は一瞬で心を奪われていた。
 『では、まずは一曲聞いて下さい、Eyes On Me…』
後はもう、周りにいた客と同じ様なものさ。すっかり彼女の歌声に魅入られた私は、 彼女のステージが終わるまでずっとその歌声だけに耳を傾け続けていた…とりあえず、これぐらいかな、 私がジュリアが初めて出会ったときのことで話せるのは。ん?なんだリノア? 『それからパパとママはどうやって付き合うようになったの?』って?ん…まぁ、そうせかすな…今からその話をするところだ。
 それから私は毎日のようにホテルのバーに通った。もちろん、彼女のステージを目当てにしてね。 そうこうしているうちに彼女も私の姿に気付いたんだろう。ステージの合間にどちらからと言うわけでもなく一言、 二言と言葉を交わしていくうちに私とジュリアの間の距離感は少しずつ無くなっていった。 私とジュリアはお互いが似たもの同士だとわかったんだ。自分が育ってきた環境や趣味、そして性格、 ほかにも両親が厳格だったせいで小さい頃は習い事ばかりさせられていたとか、どこかに出かけるなら 人混みが嫌いだから休日よりも平日にの方が好きだとか…そんな些細なことも合わせるときりがなかったよ。 気が付けばすっかりジュリアのお気に入りの常連客の一人になっていてね。その頃にはバーのボーイ連中とも打ち解けて、 私がバーに顔を出すと
 『カーウェイ、今日はいつもより早いな〜。ついに軍を辞めたか?』
 『いや、ちゃんと仕事はしてるさ、だからガルバディアはこうして平和なんだろ?』
なんてくだらない冗談を言い合うようになっていたぐらいさ。ステージ裏の控え室とかにも顔パス状態でね。 他の常連客やジュリアの友達、仕事上がりのボーイ連中と一緒に明け方まで酒を酌み交わしたことも何度もあった。 ただ、そうやって毎日のようにジュリアと身近に接するにつれて、私はジュリアの意外な一面を見ることが多くなっていった。
 控え室のジュリアはいつもメンソールのタバコとストレートのバーボンだった。 ジュリアの友達やボーイ連中が『今度あの曲を歌ってくれないか?』とリクエストしても、 彼女の気が向かないときなんかは『また今度ね…』というと素っ気ない返事だけなのに、 かと思えば送り主のわからない花束に付いていたファンレターのリクエスト曲のために、 ステージ構成を無視して歌ったり…。もちろん、そんなアドリブもジュリアの歌声とステージセンスの おかげでいつも客は盛り上がるから雇い主のホテル側としては『またか…』という程度で黙認していたようだがね。 だから、表だってジュリアの前では誰も言葉にしなかったが中には彼女のことを『何様のつもりなんだ?』 とか『ワガママな歌姫様』と陰口をたたいたり、『酔っているジュリアを口説けば誰でもすぐに…』なんていう ウソか本当かもわからない噂話を流したとんでもない奴も居たな…まぁ、その男はそれから半月も経たないうちに ストーカーの容疑でD地区収容所送りになったがね…。話を続けよう。 私も最初はそれまでステージで見ていたイメージと余りにかけ離れていたこともあって少なからず衝撃を受けてね。 ただ、ジュリアが何の理由もなくそんな命を削るような真似をしているのはずがないと思った私は、 それとなく彼女の友達やボーイ連中から話を聞き出すことにした。結論から言えば、ここで初めてラグナくんと ジュリアの関係を知ったのさ。そして、ジュリアの様子が変わり始めた時期がラグナ君がエスタで行方不明になった 頃と重なっていた。ラグナ君がルナティックパンドラ調査中に行方不明になったことには私も責任を感じていたし、 その波紋がこんな形で私の目の前に及んでくるなんて想像もしていなかったからね。この事実をジュリアに伝えるべきか、 それとも黙っておくべきか…その答えを見つけるまでの数日間自問自答の日々だったよ。 そして、私はジュリアに全てを話すことを決心した。辺りに誰もいないことを確認して、ステージ後の控え室を尋ねた私は ジュリアに『大事な話がある』と伝えた。いつになく真面目な私の表情に気付いた彼女は、 無言で私の手を握るとそのままホテルの最上階の一室にある彼女の部屋に入った。
 『ここなら誰にも邪魔されないわ。で、何、話って?』
 『実は…』
最初は笑顔だったジュリアの表情が少しずつ曇っていく。それを見るのが辛くて私は途中から目を伏せた。
 『…ウソでしょ?カーウェイ…あなたが、あの人を、ラグナをエスタに…』
全てを話し終えたとき、少しだけ視線を上げた私が見た彼女の顔。ジュリアにラグナ君のことを話したときの 悲しみとも怒りとも取れる表情、そして彼女の瞳から落ちた一筋の涙は今でもはっきり覚えている。
 『知らなかったとはいえ、全て私の責任だ。本当にすまない…だから、もうここには来ない。 君とも逢わない…それが今の私にできる償いだ…』
そこが限界だった。ジュリアに背を向けた私は出口のドアに手をかけた。
 『…ちょっと待って…それは、貴方の勝手な言い分でしょ…』
 『ああ、勝手なことはわかってる。でも、そうしないと私の気持ちが…』
 『じゃあ、あたしの気持ちはどうなるの?あなたの気持ちはそれでいいかもしれない…でもあたしはどうなるのよ…』
ジュリアの言い分は私にもよくわかっていた。確かにそれはただの自己満足に過ぎなかった。 だから私はそれ以上何も言い返せなかった。
 『……』
 『…どうして、あたしの大切な人はあたしの前からいつも勝手に消えていくのよ…』
 『?!……』
 『あたし、貴方のこと好きだった。あの人の想いを振り切って、貴方のことを愛せそうだと思ってたのに…』
私はジュリアの言葉に思わず振り返った。ホテルのバーで歌う人気歌姫でも、控え室でメンソールのタバコに 火を付けている裏の顔でもない、一人の女性としての彼女がそこに居た。私はドアにかけていた手を離した。 そして、ジュリアに近づくとそっと彼女を抱きしめた。
 『…私でいいのか?』
 『うん…貴方がいいの…』
 『わかった…』


 「く〜、いいっす!最高っすよ、カーウェイさん、格好いいっす。憧れるっす!!」
 テーブルを叩きながらアレクがカーウェイに賛辞の言葉を贈る。
 「おいおい、はしゃぐのは良いがテーブル壊すなよ、青年。これアンティークだから高いぞ〜」
 「え?まじっすか?キズとか付いて無いっすよね?」
テーブルの表面をまじまじと見つめるアレクを見て苦笑いをするスコール。 いつの間にかリビングでチェスをしていたラグナとスコールもダイニングテーブルのカーウェイの周りに集まってきていた。
 「…で、カーウェイさん、その続きは?」
 「ほう、スコール君も興味があるのかね?」
 「あ、い、いや…まぁ、そのリノアとの参考になればと…」
カーウェイの追求に恥ずかしそうにスコールの頬が少しだけ赤くなった。
 「ははは、続きは…と言いたいところだが、今日はそろそろお開きにしてもいい時間かと思ってね」
カーウェイに促されて一同は腕時計を見た。
 「ウソっ?やだっ、もう日付変わっちゃってるじゃない!明日は朝からスコールと遊園地行く予定なのに〜。 早くお風呂入って寝ないと〜。じゃ、みんなおやすみなさ〜い」
スリッパの音をバタバタとさせながらダイニングを飛び出して廊下をかけていくリノア。
 「それじゃ、カーウェイさん俺も…」
その後を追いかけるように立ち上がったスコールはカーウェイに軽く会釈してダイニングを後にした。
 「おい、リノア。次は俺が入るからな…バスソープ入れて泡だらけにするなよ…」
 「わかってる〜、パパもいるからそんなことしないよ〜」
廊下の向こうからバスルームにいるスコールとリノアの会話が聞こえてきた。
 「あ〜あ、いいな〜スコールさん…僕も早くリノアさんみたいなかわいい彼女欲しいっすよ…っと、 じゃ僕も明日またいつもの時刻にお迎えに上がりますので、今日は本当にありがとうございました。では失礼しますっ!」
カーウェイとラグナに敬礼をしたアレクはやっとその家路についた。
 「さ〜てっと、じゃあ俺もホテルに戻るとするわ。そろそろ、キロスくん達がお迎えに来る手はずなんでね… お、ほら噂をすれば影、キロスくんからのお迎えコールが着信です」
通話ボタンを押してほんの二言、三言話すとラグナは携帯を閉じた。
 「もうこの家の前まで来てるから早くでてこいってさ…」
 「そうか…ならそこまで送ろう…」
カーウェイが先でそれに続くようにしてラグナが席を立った。ダイニングを出るとリビングを通って廊下を進む。 玄関のドアを開けて外にでると入り口の門のところまでが地面に設置したいライトに照らされた。 カーウェイとラグナはその光の小道を無言で進んでいく。門の先の道路には夕方カーウェイが乗っていたモノと 同等かそれ以上の黒塗りの高級車が止まっていて、途中でラグナの姿に気付いたのかリアシートのドアが開いた。
 「じゃ、今日は楽しかったぜ、大佐」
そう言ってラグナが車に乗り込むとドアが閉められた。ハザードとブレーキランプが消えると 車はゆっくりと動き始め、そのままガルバディアの中心街に消えていった。

 ラグナを見送った後、カーウェイは自分の書斎に居た。机の上に飾ってある写真立てを手に取ると、 そこには若い頃の自分とジュリア、そして幼いリノアが写っている家族写真があった。それを暫く見た後、 カーウェイはおもむろに写真立てを裏返して留め具を外した。家族写真を取り出した写真立ての中に収まって いるもう一枚の写真。そこにはさっきの家族写真より少しだけ若いカーウェイとジュリアが写っている。
 彼女のメジャーデビューが決まった夜、常連客だけを集めたホテルのバーのラストステージで、 カーウェイと付き合い始めた日からずっと辞めていたメンソールのタバコに火を付けながら彼女が歌ったブルース。
 『人生は儚く淡い淡い夢で、あっという間に消えて、それで…それで終わり…』
セブンスコードの音色に彩られた、いつもとは違った少しかすれたその声を聞きながら、 カーウェイはポケットの中に忍ばせていた銀のリングに添える言葉を小さな声で練習していた。
 『君の夢がどんなに淡く儚くても、私はずっとそれを守りたい…』


 「パパ〜、お風呂空いたよ〜」
 書斎の外からリノアの声が聞こえてきた。
 「ああ、今から入るよ」
 返辞をしたカーウェイは、写真を元に戻そうとしてその手を止めた。
 想い出話のドアは明日閉めればいいさ。
 今夜だけは、あの日のセブンスコードに浸るのも悪くないかもしれない…そう思った。


END


(あとがき)ども、Kallです。今度こそ本当に久しぶり(約1年半ぶり?)の最新作です(≧▽≦)ってか、ぶっちゃけ 書き始めたのも1年半前だったから完成するまでに実際それぐらいかかっちゃったってことなんですけどね(爆)まぁ、途中 いろいろありましたからねぇ…(しみじみ)その代わりといっちゃなんですが、それだけボリュームは濃い目(?)の作品に なってかなりの長文(といっても、本格的な小説ならこのぐらいの量で短編扱い@ツールで調べたら文字数的に14000文字 ぐらいあったから原稿用紙に戻したら30〜40枚ぐらいなので)になってますので最後まで読んでいただけるだけで嬉しい限りっす。 さてさて、小説の中身ですが今回はカーウェイ大佐とジュリアというかなりレアなカップルでしたが…いかがでしたか? カーウェイが”だんでぃパ〜パさ〜ん”(笑)になることを目指して書いたのですがツクリテの僕自身がガキなのでどこまで表現 できてるのか…^^;あと、カーウェイの部下の青年アレクですがキリ番9500ヒットをゲットされたALEXさんの”ALEX という名前のキャラ(オリジナル)を登場”を反映させていただきました。感想とか意見とかあったら掲示板とかで是非是非寄せてくださいませm(_ _)m あ、ちなみに、いつもの小説のモチーフ曲ですがかなりマイナー(?)で『とんねるず』の『セブンスコードを天国にくれ』という 曲ですが、これ多分相当入手困難だと思うのでラジオとか有線放送にリクエストしたほうが手っ取り早いかも…