中山間地域医療第3回シンポジウム(平成24年12月8日)

目的と論点

 全国の中山間地域は高齢社会で地域住民が病気やけがをする割合が高くしかも急変しやすいが、医療・介護資源に乏しく、さらに広域で交通過疎と高齢者は遠距離運転が困難であるため、肺炎、腹痛、骨折などの一般的な病気やけがで身近な所に救急入院、手術が出来る地域の実情に応じた十分な機能を備えた病院が必須である。しかし全国の自治体病院は国民皆保険と同じくWHOにより日本の医療は世界一と折り紙をつけられた原動力であるにもかかわらず、国と自治体の政策により医師不足と赤字経営という理由で平成の大合併以後縮小統廃合が進んでいる。 国保府中北市民病院(旧上下病院)は旧甲奴郡、神石郡中山間医療過疎地域唯一の中核救急病院で、診療圏域600平方キロ、15000人の中、常勤医師数15人(医師密度0.025人/Km2)、日本で二番目に無医地区の多い広島県の中でも無医地区の77%が集中している診療所も6施設しかない超医療過疎地域(医療不足地域)の病院です。しかし平成16年に合併した府中市は平成21年11月に府中地域医療提供体制計画を発表し、医療圏の全く異なる医療資源が豊富な都市部のJA府中総合病院と医師増員の確保がないまま医師を共有する再編縮小統合計画を発表した。不透明、不公平、不明確、不公正な計画に対して地域住民は集会、講演学習会、シンポジウム、要望書、陳情署名、抗議文、映画、申し入れ書、広報誌等で府中市が地域住民と議論を尽くして府中市全体にとってより良い医療再生計画に改善するよう再三訴え続けている。しかし府中市は地域住民と公正な議論をすることなく合意が全くないままに粛々と計画を実行に移し、平成24年4月1日に地方独立行政法人府中市病院機構を発足させた。中山間医療不足地域の唯一の中核病院が縮小されると助かる命も助からなくなる「命の地域格差」が発生し、医療難民や介護難民が続出し、地域で一生涯安心・安全に住めなくなるため地域(故郷)が崩壊する。近年こういった周辺地域切り捨て政策は全国いたるところで形を変えてみられるが、この状況が進んでいけば日本各地で限界集落と故郷をなくす国民が急増し日本という国の崩壊につながる危険性がある。そういった観点からも今回の府中市地域医療再生計画は改善されなければならない。
 地域住民の3年にも及ぶ住民運動とお願いにもかかわらず、府中市と広島県は地域住民の陳情や要望に対して「御理解下さい」と言うばかりで全く協議に応じないため、平成24年3月30日受忍限度を超えた地域住民は地方独立行政法人化差し止めと地域のニーズに応じた病院の存続を求める行政訴訟を広島地裁に提訴した。しかし平成24年4月から急性期病床を52床から35床へ縮小され、常勤外科医師を府中に配置転換された府中北市民病院は、地域のニーズに合わない不十分な機能の病院にされました。4月以降救急入院が出来ない、診てもらえない、早期退院勧告、職員の離職、患者離れ、「入院させてくれない、診てくれない」といった風評被害、病院収益激減、等重大な問題が水面下で急速に発生進展しています。このまま地域住民が黙っていたら、先人が築きあげてきた地域の宝である府中北市民病院は診療所化されてしまいます。そうなると当該地域は一生涯安心・安全に住めなくなり、地域が衰退しやがては国の基礎である故郷が崩壊してしまいます。過去2回のシンポジウムには300〜600名もの住民参加があり、病院機能維持、合意が得られるまで計画延期、市の直営を決議しています。
 今回の第3回地域医療を守る会シンポジウムでは全国の中山間医療過疎地域を医療崩壊・地域崩壊から守るための共通の問題点と対策について、自治体病院を核として、地域住民が中心となった地域再生、住民自治獲得の研究を全国的に展開されている日本福祉大学大学院教授、国民医療研究所副所長、牧野忠康先生をはじめ中山間地域医療に造詣の深い現場のベテラン医師、地域住民、地域の議員、弁護士で議論し最高の改善策を決議し、府中北市民病院の機能維持を実現し、地域再生と住民自治を目指します。参加は自由です。平成24年12月8日(土)、全国の皆様の御参加を広島県府中市上下町で地域住民一同心待ちにしていますのでどうぞ宜しくお願いいたします。
 

中山間地域医療第3回シンポジウム

l  目標;府中北市民病院を機能維持して地域を再生し、住民自治を獲得するため全国へ発信!

 

l  日時;平成24年12月8日(土)13時30分開演、16時30分終了

l  会場;上下町民会館2階 大研修室、展示室

 

l  目的;@新病院になってからの実情・正しい情報の共有

 A住民力強化、地域再生、住民自治獲得(中山間医療過疎地域では病院を核とした地域づくりが必要ということを理解納得し、住民自らが病院を守る運動・団結を強化し地域再生、住民自治を獲得する)

 B地域住民と府中市の協議実現

 C医療を受ける権利と地域のニーズに合った病院機能を取り戻す
 D行政訴訟の理由と意義の共有

 E中山間医療過疎地域を医療崩壊から守り、共通の問題点とその 対策を全国に発信し、全国の地域(故郷)崩壊を阻止する

 

l  基調講演 演題 「三つの生生命・生活・生産を衛まもるおらが病院づくりは地           域づくり―中山間地域における自治体病院の役割と哲学―

            日本福祉大学大学院教授

  国民医療研究所副所長   牧野 忠康 先生

 

l  特別講演 演題 「住民目線に立った公立病院改革を!―公立世羅中央病           院の場合―」 

               公立世羅中央病院院長    末廣 眞一 先生

 ・講演    演題 「市民が主役のまちづくり」

               三次市市議会議員       山村恵美子 先生

 ・講演    演題 「医療を受ける権利と裁判の意義」
               原告団弁護士          山田 延廣 先生

 

l  シンポジスト

      牧野 忠康   (日本福祉大学大学院教授、国民医療研究所副 所長)

      末廣 眞一   (公立世羅中央病院院長)
      山田 延廣   (弁護士)

      桑田 哲男   (元上下病院事務長)

      中村 一二三  (府中市 上下地区女性会)

      山根 孝志   (元甲奴町振興協議会会長)
      山村 恵美子  (三次市市議会議員)

      横尾 正文   (神石高原町議会議員)

        

     座長;黒木 秀尚   (上下町 黒木整形外科クリニック 院長)

l  ディスカッション(50分)

l  シンポジウムのホームページ

http://ww2.enjoy.ne.jp/~hidekurogi/

l  主催;地域医療を守る会(会長 松井義武、実行委員長 黒木秀尚)、参加料不要

l  問合せ先:地域医療を守る会

      〒729-3431 府中市上下町深江940−1

       TEL  0847-62-4575

                  FAX  0847-62-4404

l  会場周辺に無料駐車場が充分あります。JR福塩線上下駅下車徒歩5分、広島市からは広島バスセンターからピースライナー上下駅下車徒歩5分

●第3回シンポジウム抄録原稿(平成24年11月29日)

府中市地域医療再生計画(地方独立行政法人府中市病院機構)の問題点と実情

 

府中北市民病院は地理的にも歴史的にも旧甲奴郡、神石郡中山間医療過疎地域唯一の救急中核病院であり、昭和18年の発足以来ぎりぎりの人数の医師と職員で医療不足地域住民の命と健康を支えてきた当該地域の宝である。昭和57年には広島県で最初に保健センターを病院に併設し、保健、医療、福祉の少ない資源の有効な活用と連携を通じて住民の命と健康を保証し、地域住民が住み慣れた地域(故郷)で一生涯健康で幸せに暮らせるため、国民健康保険病院の理念である地域包括ケアを確立し実践してきた。

ところが平成16年に合併した府中市は平成2111月、公立病院改革ガイドラインに基づき医師不足対策と赤字解消と称して府中北市民病院とJA府中総合病院、寺岡記念病院を再編統合・連携する「府中地域医療提供体制」計画(病院共同体イメージ)を発表した。その骨子は(1)寺岡記念病院が最も高度な救急と専門的医療、JA府中総合病院は一般的な病気やけがの入院、手術、府中北市民病院はより日常的な診療と後方支援的入院で救急、手術なし、とした病院の役割分担と連携、(2)医師、看護師不足を解消するため、医師と看護師の共有、そして(3)経営の効率化を図るため独立行政法人化(非公務員型)、という計画であった。しかし中山間地域では高齢者が多く病気や怪我になりやすく急変しやすい特徴がある。広域で交通過疎地域でもあり自分で車を運転して遠方の病院まで行くことが出来ない交通弱者も多い。都市部の府中地域と中山間過疎地域の上下地域、すなわち救急車で1時間以上かかる生活圏域・診療圏域の全く異なる2つの地域を同じ地域とみなしている点と、東京23区の面積に匹敵する診療圏域600Km2の中に診療所がわずか6施設しかないため、中核病院がないと診療所も機能しない状況下にある中山間医療不足地域のなけなしの医師、看護師を先の役割分担に応じて医療資源の豊富な都市部の病院に配置転換する計画は医療の理念、医の倫理、人の道理・社会の道理に反する行政主導の間違った地域医療再生計画である。また中山間過疎地域は求人困難地域でもあり、病院が非公務員型になると医師はもとより看護職員及び医療職員の人員確保が非常に困難な状況に陥るという実態がある。

以上のことから命の危機感を抱いた府中北市民病院診療圏域の住民は、肺炎、腹痛、骨折、脳梗塞といった一般的な病気やけがでの救急入院、手術が出来る中山間医療過疎地域のニーズに応じた機能の維持と議論を尽くして合意が得られるまで計画延期、経営形態は公務員型のままで市の直営を求め続けている。2度にわたる署名活動、広島県と府中市への陳情、要望、抗議、広報活動、講演学習会、映画、シンポジウム等の住民運動を継続展開してきた。平成22年、23年の過去2回のシンポジウムでも300〜600名もの参加者があり、病院機能の維持と協議再開、市の直営、府中北市民病院を基幹病院とすることを採択決議している。地域住民は何度も協議のお願いをしているが府中市と県は上記の民意を一顧だにすることなく、逆に住民運動は地域医療を守る会の政争活動と位置づけ再三の協議要請に全く応じず、自治体病院に繰り入れるべき国からの地方交付税を市民に全く説明することなくすべて赤字として計上することで府中北市民病院の赤字をことさらに喧伝して縮小統合を正当化し続けている。そこで足かけ約3年にも及ぶ住民運動にもかかわらず、「ご理解下さい」の返答に終始し、地域住民との協議を一切拒否する府中市と広島県に対し、受忍限度が越えた地域住民が行政訴訟に踏み切った。裁判という形ではあるがその中でやっと府中市と県の考え方、意見が分かることの意義は大きく、府中市地域医療再生計画を改善できる可能性がある。

府中市と広島県は二つの地域に必要な病院を残すためと称して地域住民の民意を無視して強引に進めた公立病院改革ガイドラインによる新経営形態への移行の締め切りは平成25年度末であるにもかかわらず拙速にも平成2441JA府中総合病院と府中北市民病院を経営統合した地方独立行政法人府中市病院機構を発足させた。それによって府中北市民病院の一般病床は52床から35床に大幅に縮小され、たった1人の常勤外科医師も府中へ配置転換された。内科医師も1人減ったため常勤医師はわずか4名となり地域のニーズに合わない一層不十分な機能の病院に縮小された。それでも府中市は府中北市民病院の救急入院、外来診療は今までと全く変わることはなく、大した弊害は出ないと主張している。しかし4月以降(実際は府中市が看護師募集を禁止したため平成2311月から40床に縮小されている)救急入院が出来ない、診てもらえない、早期退院勧告(従来平均3週間の入院が病床数不足のため15日に短縮)、一般的な外科手術が受けられない、遠方の病院への通院による肉体的・経済的な負担、縮小風評被害による患者離れ、職員離職、病院収益減少、等、重大な問題・人災が水面下で急速に発生進行している。4月から11月中旬まで黒木クリニックを受診した患者の中から無作為に抽出した約340名に縮小されてからの弊害を聞き取り調査したところ、141名(41%)の人が縮小されてからの弊害を体験したり聞いたりしていた。実際府中北市民病院への救急車搬入件数は縮小前一般病床数52床の平成214月から平成2310月末までは月平均16.1件であったが、40床に縮小された平成2311月からさらに35床に縮小された平成249月末までは11.8件と月平均4.3件も救急車受け入れが減少している。4月以降府中北市民病院診療圏域の救急患者は世羅中央病院に搬送されることが多く縮小前の平成22年度は1年間で28名であったが、平成244月から9月末までの半年間に40名に急増している。そのうち2名は心肺停止状態であった。また外来患者数は679名から1351名、入院延べ患者数も891名から1689名と倍増している。市立三次中央病院でも入院延べ患者数が平成229月までの半年間と比べ平成24年度の同期間では474名も増加していた。これらのことから府中北市民病院が縮小されたため当該地域住民の急性期入院が出来ない状況下におかれている予想通りの実態と、医師の増員がない医師不足対策には無理があることが判明した。平成2111月に府中市地域医療再生計画の骨子が発表されてから地域住民が予想していた命と健康の保証が破壊されるという危惧が現実のものとなったことが証明された。すなわち当計画は府中北市民病院診療圏域の微妙なバランスの上に成り立っていた長年にわたる先人の汗と涙で築き上げてきた既存の急性期医療と地域包括ケア(「支える医療」)を破壊し、地域住民の命と健康の保証をなくす間違った地域医療再生計画であることが証明されたことになる。その根本的な原因は府中市の計画は「命の絶対平等・尊重、弱者救済、公共性、公益性、社会正義」、といった医療の基本理念に反し、地域包括医療の「地域」の定義そのものが間違っているからである。

 

3回地域医療を守る会シンポジウムの目的と意義

 

府中市は今年の夏、今後府中市が展開していく「地域医療病院コンソーシアム府中構想」を発表しました。この構想は平成2111月に発表した「府中地域医療体制」計画の中で発表した「病院共同体のイメージ」と全く同じ内容で、寺岡記念病院が共同体の核となる計画です。この計画では府中北市民病院の役割は、かかりつけ医的な日常診療と、急性期を過ぎた患者のリハビリ目的入院、救急、手術なしでした。すなわちこのまま地域住民が黙っていたら、先人が築きあげてきた住民の命と健康の保証・地域の宝である府中北市民病院が診療所化されてしまうのです。そうなると急性期の入院が出来なくなるため当該地域は一生涯安心安全に住めなくなり地域が衰退し、やがては国の基盤である故郷が崩壊してしまいます。そのため今回のシンポジウムのスローガンは「府中北市民病院を機能回復維持して地域を再生し、住民自治を獲得するため全国へ発信!」としました。そしてシンポジウムの目的は(1)新病院になってからの実情・正しい情報の共有(2)住民の団結、府中北市民病院機能回復維持、地域再生、住民自治獲得(中山間医療過疎地域では病院を核とした地域づくりが必要ということをよく理解納得し、住民自らが病院を守る運動・団結を強化し地域再生、住民自治を獲得する)(3)地域住民と府中市との協議実現(4)医療を受ける権利と地域のニーズに合った病院機能を取り戻す(5)裁判の理由と意義の共有(6)全国への情報拡散により中山間医療過疎地域を地域(故郷)崩壊から守るです。

今回、日本福祉大学大学院教授、国民医療研究所副所長、牧野忠康先生に「三つの生(生命・生活・生産)を衛(まもる)おらが病院づくりは地域づくり―中山間地域における自治体病院の役割と哲学―」と題して基調講演をして頂きます。牧野先生は自治体病院は地域住民の生命と生活と生産を守るという使命を持つものであるから、地域住民が中心となって自治体病院を守るための学習と行動的研究(アクションリサーチ)を通じた社会的行動(ソーシャルアクション)を起こし、さらに病院を核とした地域再生、住民自治を獲得することが中山間医療過疎地域を医療崩壊、地域崩壊から守るために重要であると全国で主張されています。そして昨年の第2回シンポジウムにおいて中山間医療過疎地域の中核病院は地域のニーズに応じた機能が絶対必要であるため、府中北市民病院を基幹病院とすべきであるとことを提唱され、実際府中北市民病院が縮小されたために救急入院が出来ない、診てもらえない患者さんが多数お世話になっている世羅中央病院院長の末廣眞一先生に「住民目線に立った公立病院改革を―公立世羅中央病院の場合―」と題して特別講演をして頂きます。そして府中市は地域住民との協議をかたくなに拒んでいますが、それでは真の民主主義国家とはいえません。平成の大合併後編入された周辺地域住民の意見も協議にかけられ、政策に反映されるための住民自治をいかに獲得していくかについて三次市市議会議員の山村恵美子先生に「市民が主役のまちづくり」と題して講演して頂きます。そしてあまりにも民意を無視し続ける府中市と広島県の姿勢に対して行政訴訟に至った正当な理由と意義、医療を受ける権利について弁護士の山田延廣先生から「医療を受ける権利と裁判の意義」と題して講演して頂きます。その後、上下町、甲奴町、神石高原町のシンポジストを交えて、論点(@府中北市民病院が縮小(平成2311月)されてからの弊害と実情、A中山間医療不足地域(当該地域)に求められる医療提供体制、B府中市地域医療再生計画を改善するために実現可能な方策、協議の実現方法、C住民自治をいかに獲得するか、D医療を受ける権利と裁判の意義、E地域住民がなすべきこと)について公開討論をして最善の対策と解決策を決定します。

一人でも多くの地域住民と医療関係者、行政関係者が当シンポジウムに参加し、正しい情報を知って学習することで府中北市民病院の問題は日本中に同様の問題がある地域崩壊・故郷崩壊につながる非常に重大かつ深刻な全国的問題であることを理解しましょう。さらに命と健康の保障と地域(故郷)存亡の危機感を共有し団結し、地域のかけがえのない宝を永久に子孫に伝えていくことが出来るために、当シンポジウムで採択決議する地域住民の総意を府中市と広島県に行動で示し、故郷・日本を守るため住民力で当計画の見直しを実行させ、地域のニーズに合った病院機能を回復・維持して地域を再生し、住民自治を獲得するため全国へ発信しましょう。

                

平成24128
3回地域医療を守る会シンポジウム 実行委員長 黒木 秀尚


シンポジウムの目的と論点

















シンポジストの意見


牧野忠康先生

・自治体病院は地域住民の生命と生活と生産を衛(まもる)ものであるので、病院を核とした地域再生・住民自治を獲得することが、医療崩壊・地域崩壊から中山間過疎地域を守るために重要
・上下病院の歴史を調べ学んで地域医療に生かしていくことが重要
・我々は先人の苦労の恩恵に預かっているだけではいけない
・医療は地域の文化を作っていく社会の共通資本

・アクションリサーチ(参加型調査研究)、住民の皆さんが参加することが重要

・お願いするだけでは駄目である

・情報を公開させて、正しい情報をもとに専門家を交えて、一緒になって住民による、住民のための研究、運動。議会も関与することが大切
・住民の運動をサポートするのが議会や首長なので住民が選挙で誰を選ぶかが非常に大切、人任せでは駄目
・議員が病院問題、地域医療を正しく理解しているかが重要。赤字を責める首長や議員は駄目である
・今の医療は国の施策で低診療報酬と高負担の仕組みになっており、頑張るほど赤字が出る仕組みになっている
・公立病院ガイドラインは総務省が出しており、そのバックは財務省−市場原理主義
・北市民病院も3年間赤字を出せば、廃止か民営化が待っている

・裁判は弁護士に任せきりでは駄目、後ろに住民がいることが大切。法廷を動かす力は、住民・国民にある
・専門家にお任せの場合はうまくいかないし、潰れる

・ソーシャルアクションとは学習、調査、研究と運動

・連帯と協働の闘いなくして地域医療なし、地域づくりなし

・鬼(オニ)になって学ぼう、調べよう

・要望、お願い、おまかせから脱却して真の主権者として行動しよう

・昭和36年(1961年)国民皆保険制度が発足して無医村が解消された

・自治体病院が自治体病院であるゆえんは職員が公務員だからである。公務員は住民の奉仕者であり、法で定められていることを遵守する義務がある。一般病院にはそういった規則は一切ないので市場原理主義を導入する。

・住民が誰を首長(市長)に選ぶかが重要になってくる

・あきらめずに住民運動を続け取り戻せばよい

・病院は一旦つぶすと駄目である。二度と元には戻れない
・平成24年11月9日兆子市立病院を視察したがもうどうすることも出来ないことがわかった

・災害もいつ来るかわからないので、地域のニーズに応じた病院が一つは必要である

・住民がこのまま黙っていたら病院は診療所化どころか無くなってしまう

・府中北市民病院はいつまでも世羅中央病院の好意に甘えるわけにはいかないし、地域で安心して住めなくなってしまうので、世羅中央病院と府中北市民病院が行政区を超えた統合をして役割分担をしても良い

・住民が病院は地域の宝と感じて感謝し大切に守っていくことが大切

・医師派遣を大学の医局ばかりに頼れなくなっているので、魅力ある病院と地域にして外部から医師が来たい病院にすることが必要である

・協議を求めるだけではだめで住民へ情報を発信して、住民の一致団結が大切
・府中市出身の医師にUターンを勧める
歴史と地域の共育、歴史と文化の学ぶことが重要
・佐久総合病院がよい。「農民とともに」若月俊一院長
・理解のある首長も大切。沢内村深沢村長

・マスコミに協力してもらうことも重要

・裁判を通じて府中市と広島県に伝えていく

・全国にも同じ状況があるので、連携を取って全国的な大きな組織にしていく。現在住民運動は点でしかないが、それを線へ、そして面へ、立体へ発展させていくことが大切である

・府中市を殺人罪、傷害罪で訴えることができる可能性もある

末廣眞一先生

 ・全国の中山間地域は@医師不足、医師の都市部偏在、A国の医療費抑制政策、B平成の大合併による自治体母体の消失、で存続が厳しい状況にある

 ・平成19年12月に公表された公立病院改革ガイドラインには「住民の不便に便宜する」ということは一切書かれていない。

 ・世羅中央病院と久井国保病院の統合はお互いに6〜7kmしか離れておらず、10分程度で往来出来るので久井の住民の半数は病院存続を希望したが、協議の結果スムーズに統合出来た。

 ・世羅町と久井町の行政圏は違うが同じ診療圏域なので、両病院間の入院患者シャトルタクシーを無料化して統合した。

 ・通院に不便を感じるのは、距離より交通の便が悪いなどで時間がかかることと、経費が主な原因であった。

 ・府中北市民病院が診療所化されてすべての救急が世羅中央病院に来るようになると、医師数も病床数も不十分で不可能である。また必然的に過重労働の問題が発生する。現在は好意で救急を受け入れている。病院職員の負担は大きい。

 ・医師派遣を医局に頼らない場合は不適切な医師くることがある。

 ・行政が病院の統合や連携を強制する場合は交通費を府中市が負担すべきである。

 ・医療は雇用効果が大きいので、中山間地域で病院がある自治体の場合、若い人の定着、出産、等の利点が大きい。

 ・府中市への啓発活動が必要である。


 
山田延廣 弁護士

1948年WHO憲章で「人はいつでも、どこでも、経済的差別なしに最高の医療を受ける権利がある」とされ、日本もそれを採択しているいじょう守らなければならない。

・憲法や国と国の条約は国民が守る義務がある

・身近なところで医療を受ける権利はまっとうな権利であるので国民は不断の努力で医療を守る活動をする必要がある。

・黙っていたらだめで、シンポジウム、学習会、広報活動、裁判、投票などの住民運動の継続が大切。

・裁判の意義は@自分の権利を守る、A世の中全体の共通の問題を救済する(公害問題など)ことで、裁判で世の中を変えることもできるし、行政も変えることができる。

・府中市は当初府中北市民病院を診療所にするつもりでいたが、住民運動のため現在断行できなくなっている。

・現在行っている行政訴訟は府中市の暴走にブレーキをかけている。

・地域住民がみんなで頑張ることが大切。

・国も地方も公共事業に金をつぎ込むのではなく、人につぎ込むべきである。

・選挙で住民のためになる正しい議員を選んでいくことが大切

・皆がまとまって地道に進めるリーダーを選ぶことが大切。

・府中市が地域医療を守る会の講演学習会を禁止していることは憲法違反である。そんな事実があることは驚きである。

・府中北市民病院に上下町住民以外の他の行政区の住民が来院して府中市の医療費を使っていることはけしからんという府中市の主張はおかしい。

・新自由主義、競争主義はだめである。隣近所を競争相手にするのではなく協力者として暮らしていく文化が大切である。

・住民運動や裁判をしていなかったら府中市は府中北市民病院を診療所にしてしまうだろう。さらに地域住民が手を抜くと府中北市民病院はなくなる危険性もある。地域住民は生きる権利を回復するために闘うことが必要である。

 

山村恵美子 三次市市会議員

・甲奴郡3町がなぜバラバラになったのか住民は誰も真相を知った人がいない。

・選挙で議員を選ぶ住民側の問題も大きい

・全国の市町は財政的に危機的状況にあるが、命を切り捨てる政策はだめである。

・町内会組織のリーダーでなくても、地域の声を府中市や議会に届けられるシステム作りが必要である。

・住民自治は誰かが正しい情報を皆に伝えることが大切

・議会に住民の声を届けることが大切

・組織のリーダーが行政よりの場合、構成員が声をあげていけばよい。

・甲奴町には5つの住民自治組織があるが、連合会で組織化されていて、地域の声が大きく伝わりやすい。

・住民運動は決してあきらめないことが大切

・議員を上下町からだして市議会を利用する

 

  横尾正文 神石高原町町議会議員

・神石高原町の福永、高蓋、草木の住民は府中北市民病院を利用しているが、救急や入院は縮小前に比べかなり断られている。

・仕方なしに遠方の病院に行かなければならない高齢者は自分で運転が出来ない場合、非常に困っておられるのが現状である。

・府中北市民病院は地域のニーズに合致した縮小前の機能に回復が必要である。

・府中市に地域住民の声がなかなか届かないのが問題である。住民のパワーアップが必要である。

・府中市は上下町の住民運動を政争の道具として利用している。自分は保守系議員であるが府中市の幹部と話をした時、完全に左翼に位置づけられていた。府中市は地域医療を守る会を左派と位置づけ地域住民と守る会と解離させている。また府中市と上下町を分断しようとしている。今回の問題は住民の命と健康に関することなで、地域医療を守る会は政争活動をしているわけではないので、右翼も左翼もなく住民は一致団結すべきである。

上下町・桑田哲男、上下町・中村一二三、甲奴町・山根孝志

・電動鋸で足首を切り出血多量で急いで病院に行ったが、処置を受けたのは4時間後であった、入院を断られた、まむしに噛まれて命が危なくなった、時間外救急を診てくれない、遠方の病院に回されタクシー代金が高くつく等、弊害は多数ある。

・縮小されたため患者数が減っており、患者離れも発生して病院収益減少し、経営的にもマイナスである

・早期に退院させられ、介護している高齢の妻が大変困った

・外科と内科の密接な連携は絶対に必要である

・急性期医療がないと支える医療は出来ない

・甲奴町でも府中北市民病院への救急入院が断られるため、救急車の待機時間が長くなり不安に感じている住民が増加している。

・平成24年の春に甲奴町の施設で府中北市民病院にかかりつけの入所者が急変したので府中北市民病院に連絡したところ断られた。その間かなり待たされた。それで救急車は世羅中央病院に搬送したが救急車の中で亡くなられ、警察が関与する事にもなって家族は大変困られた。

・府中北市民病院で透析をしている患者のシャント手術を縮小前は府中北市民病院でしていたが、縮小後は遠くの府中市民病院に行かなければなら患者は大変困っている。透析患者は大変不安に感じている。仕事を辞めなければならないかと困っておられる。

・府中北市民病院が独立行政法人になり、命にかかわる弊害事例が多くでており過疎地域の住民は医療を受けたくても受けられない状況にあります。

・命に格差があってはいけない。救急や入院、一般外科手術が出来る縮小前の病院が必要である。老後を安心して迎えることができる医療体制が必要である。

・今日のようなシンポジウムを通して相互理解を深め、住民が一体となって行政へ訴えていく活動の場を作る必要がある。

・正しい情報を提供しそれに対応する活動を起こすことであり、そのためには今日のようなシンポジウムや学習会を継続し住民自治活動を継続していくことが必要である。

・地域住民同士が足の引っ張り合いをせずに一致団結して力を合わせて地域の宝である府中北市民病院を機能回復維持することが必要である。子や孫に遺産として守り続けていく責任がある。

・身近なところから団結の輪を広げる

・上下町にユーターンしてきた人が、上下町は教育も病院もしっかりしているから安心なので帰ってきたが、実際は府中北市民病院が縮小されたので帰ってきたのは失敗だったと言っている

・病院の現場のトップが知らないところで行政の役人が病院の人事をしている

・災害はいつ起こるか分からないので地域のニーズに応じた病院の機能回復維持が必要である。

               採択決議 

地域医療を守る会第3回シンポジウム決議

 

平成24年12月8日上下町民会館にて開催された地域医療を守る会第3回シンポジウムにて230名の参加者が住民総意で採択決議した事項を決議として府中市に提出する。府中市は府中市地域医療再生計画と地方独立行政法人府中市病院機構中期目標に下記の決議内容(民意)を反映させて改善しなければならない。

 

               決議

 

1.      府中市が平成233月に策定した府中市地域医療再生計画に基づく中期目標により、府中北市民病院は平成244月地方独立行政法人府中市病院機構として統合・縮小されたため、一般病床数不足、外科常勤医師不在となり、救急入院が出来ない、診てもらえない、一般外科手術を遠方の病院で受けなければならない、早期退院勧告、患者離れ、病院収益減少等、重大な弊害が多数発生している。この事実から当計画は旧甲奴郡、神石郡中山間医療過疎地域住民の「命と健康の保障を破壊する」間違った地域医療再生計画であることが証明されたことになる。早急に下記の如く改善されなければならない。

2.      府中北市民病院は旧甲奴郡、神石郡中山間医療過疎地域唯一の救急中核病院であり人的過疎、交通過疎地域でもあるので、当該地域で地域住民が一生涯安心して健康に暮らせるために一般救急入院、手術が縮小前と同様に維持されるよう、常勤医師数6名以上、病床数85床、市の直営、医療機器設備等が維持されなければならない。

3.      府中市地域医療再生計画と地方独立行政法人府中市病院機構中期目標は当初より地域住民との協議が全くなされておらず、地域のニーズに合致していないことから早急に旧府中市と上下町それぞれの地域住民、行政、医療関係者が一堂に会してそれぞれの地域の実情に合った最善の府中市地域医療再生計画、中期目標になるよう議論を尽くし、合意のもとに当計画は改善されなければならない。

4.      府中市地域医療再生計画、地方独立行政法人府中市病院機構に関する正しい情報を府中市全体で共有するため、現在府中市が禁止している当該地域で行っている住民自治獲得のための講演学習会の開催を旧府中市でも許可しなければならない。

5.      府中北市民病院は中山間医療過疎地域唯一の救急中核病院で、広域で急性期疾患の需要も多く、競合する他の病院もなく健全経営が可能であることから、府中市活性化の目玉として位置づけ府中市地域医療再生計画、地方独立行政法人府中市病院機構の基幹病院とすべきである。

6.      全国の中山間医療過疎地域を医療、地域崩壊から守り、日本の基盤である故郷を守るためには、中山間医療過疎地域唯一の中核病院は地域の実情に応じた十分な機能を維持しなければならない。

 

 我々は決議された上記の住民総意が実行されて府中市と地域住民の協議が実現し、間違っている府中市地域医療再生計画と地方独立行政法人府中市病院機構中期目標が改善され、府中北市民病院の機能が回復・維持し、当該地域住民が安心して暮らせる幸福の原点である命と健康が保証される医療体制が獲得・維持されて真の住民自治が実現するまでねばり強く住民運動を継続展開する。

 

                         以上、決議する。

平成24年12月8日

           地域医療を守る会第3回シンポジウム参加賛同者 

平成24年12月20日(木)、地域医療を守る会は府中市伊藤吉和市長あての上記決議文と要望書を府中市役所庶務課にて説明の上手渡した。

論点のディスカッション

1.府中北市民病院が縮小されてからの弊害と実情

・女性会では健康で安心して生活するために病院問題を核として、「いま私達はなにをすればよいか」、「足元の問題を見つめ」、みんなの力で「住みたい上下町・住み続けたい上下町にするために」という目的でアンケートや住民の皆さんの意見を聞き集約しました。

・病院が遠くなると時間がかかるので、その間が苦痛。タクシーを使うと片道、上下町内でも1500円、府中へ行けば6500円もかかる。通院しにくいばかりか経済的にも苦しい。

・府中北市民病院の待ち時間が長くなり、しんどく我慢できないため他の病院へ行った。

・「まむしに噛まれたら他の病院へ行くように」という通達があったが、移動するまでの時間に急変し命にかかわる事態になった。

・病気の年寄りを抱えていると毎日が不安であり、仕事にも行けない。病院へ行っても「入院は出来ない」といわれた。病院の縮小は、命の縮小である。

・病院へ行っても「担当の先生がおられないからだめ」、「時間外だから診てもらえない」

・怪我をしても外科の先生がおられないから他の病院へ回された。こんなことなら始めから他の病院へ行けばとかった。

・電動鋸で足首を切り出血多量であわてて病院へ行ったが処置を受けたのは4時間ぐらい後だった。

・府中北市民病院が独立行政法人化になり、命にかかわる弊害事例が多く出ており、過疎地医の住民は医療を受けたくても受けることが出来ないない状況にある。

71歳の上下町の男性がまむしにかまれたが、診てもらえず世羅中央病院に入院し通院が大変だった。

・府中北市民病院の患者は診てもらえないため、しかたなく他の病院に行かざるを得ない状況にあるばかりでなく、病院の収益はかなり減少している(赤字経営になると、当計画では廃止か民営化が待っている)。

80歳の上下町の男性が体調が悪いので再入院を希望したが断られ、府中市民病院に紹介となったが高齢の妻が遠距離タクシー通院と看病に疲れ果てている。

・府中北市民病院は中山間医療過疎地域唯一の病院なので、身近に内科と外科の連携が取れる体制が必須である。

・急性期医療が担保されないで支える医療(地域包括ケア)は出来ない。

・府中北市民病院の院長も知らないところで、現場をよく知らない行政の職員が病院人事をしている。

・災害がいつ起こるかもわからない状況で中核病院がなくなるということは、当該地域では安心して暮らせない。

・伊藤吉和府中市長は現場と当該地域をよく知るべきだ。

・神石高原町の西部地区住民の多くは府中北市民病院を利用しているが、入院を断られたり、救急車搬入を断られている。

・高齢者は今健康な人も数年後は動けるかどうか分からないので非常に不安に感じている人が多い。1時間もかかるところにはとても行けない。

・甲奴町も不安を持った人が多い。

・府中北市民病院への救急車は減っておりその分世羅中央病院と三次中央病院へ搬入されている。

・施設入所の方が急変したので、救急車を呼んだが府中北市民病院も三次中央病院も断られたので待機時間が長くなり、世羅中央病院に行く途中救急車の中で死亡された。警察も関与して家族は大変困られた。

・調べた範囲では甲奴町の住民が7名府中北市民病院への救急搬入を断られていた。

・甲奴町住民で4名が府中北市民病院で透析を受けているが、以前上下でしていたシャント手術を府中市民病院で受けなければならなくなって大変困っておられる。

・世羅中央病院は医師数が十分でない状況で府中北市民病院の救急を好意で引き受けているが、診療所化されて全部診てくれと言われたら出来ない。

・府中市からは救急患者の連携に関しては世羅中央病院へ何の説明も挨拶もない。

・府中市の病院は遠くにあるので府中北市民病院の機能を落としてまで統合する理由が分からない。

 

2.医療を受ける権利と中山間医療不足地域に求められる医療提供体制

・縮小前の機能の維持は2回のシンポジウムで採択決議されている。

・どんな地域に住んでいようと命に変わりはない。救急に対応できる縮小前の今までの病院で会ってほしい。また老後を安心して迎えることのできる医療体制が必要である。

・地元に病院が必要であるが住民の努力も大切。

・府中北市民病院は世羅中央病院の好意にいつまでもというわけにはいかない。

・行政区にこだわらない府中北市民病院と世羅中央病院の連携も必要ではないか。

・今ある医療資源を使って役割分担をする。

・大学の医局からの医師派遣に頼らない魅力ある病院づくりが必要。

・地域住民は病院に感謝し医師が働きたい病院づくりをする。

・地域に安心して住めなくなると人口流出が起こるだろう。

・医局に頼らない場合とんでもない医師が来ることがある。

・連携する場合は交通費は府中市が面倒をみるべきである。

 

3.4.府中市地域医療再生計画を改善するために実現可能な方策、協議の実現方法。住民自治をいかに獲得するか。

・町内会の会長が行政寄り・市長派の場合、住民の声を届けてくれないので構成員が組織としての声をあげていくことが必要である。

・甲奴町の場合は住民自治が組織化され確立しているので地域の声が行政に届く仕組みになっている。

・市会議員を通して要望も出せる。

・神石高原町でも議会で一般質問したが、なかなか府中市までは届かない。遠慮している。

・あきらめずにもっと住民パワーをつけていく必要がある。

・住民は医療に関して学習をすべきである。

・周辺地域の議員は数が少ないので、議員が多いところの意見を集約している。これでは協議にならない。

・上下町は2人しか議員がいないのにそのうちの一人は市長派であることも問題である。

・行政がお金をどこに使っているかを絶えずチェックしておく必要がある。公共事業でなく人につぎ込むべきである。

・一般公務員パッシングは住民サービスの低下を招き良くない。

・議員をきちんと市民が選んでいくことが大切。議員が市議会に働きかける。

・市会議員は住民の実態が分かるはず住民に代わって市長をはじめ職員に見る目・聞く耳をもって優しく明るい市政をするよう指導・助言をする必要がある。

・府中市が地域医療を守る会の講演学習会に府中市の公民館を貸し出し禁止としているのは不思議を通り越して驚きである。地方公共団体は公共の場である公民館などで言論の自由を弾圧してはならない。憲法違反である。うっかり住めないところである。

・上下町の住民は府中市になめられている。

・住民が住民へ発信していくことが重要。

・医師獲得に住民がアイデアを出して真剣に取り組む。

・医師募集等の広報誌を道の駅や観光協会などにもおいて大きな渦をつくる。

・府中北市民病院と世羅中央病院は情報を共有し医師確保の面でも連携する。

・医療問題を通して住民一人一人が意見を十分出し協議して一体になる。文句を言うだけではなく行動で示そう。行政は住民の声(心)がわかっていない、市長が住民の声を聞き住民目線で行政が行われるように地域住民が声を上げ続けることが必要。

・今日のようなシンポジウムを通して相互理解を深め住民が一体となって行政へ訴えていく活動の場を作り続けることが必要である。

 

5.裁判の理由と意義

・裁判の意義は個人のためばかりでなく社会のためでもある。公害問題などは公害で苦しんでいた地域住民が同じ過ちを全国で繰り返させないために必死で闘ってくれたおかげで今の日本があるのである。闘いなくして勝利なし。

・府中北市民病院が今の状態に留まっているのは住民運動や裁判を継続して住民が闘っているからである。

・6月の議会では伊藤吉和市長は府中北市民病院を診療所にすると発言していた。

・裁判は必要であるという女性会アンケートの意見は多くあったが、1名「パーフォーマンス、止めてほしい、評判が落ちるだけ」という意見もあった。このような意見こそ見落としてはならない大切な意見である。すなわちこの意見は事実に基づいての意見ではないからである。そのためには事実や実情を理解する場、今日のようなシンポジウムや学習会を設け、みんなが共通理解の上に立って協議することが重要である。

・住民が一致団結して一つの目標をもってあきらめずに頑張る。リーダーを選ぶ。

・マスコミを利用する。

・裁判を通じて当計画は住民のためになっていないことを府中市と広島県に伝える。

・この問題は全国の問題でもあるので情報を発信、交換して大きな渦にする。

  ・府中市は甲奴町や神石高原町の住民が府中市のものである府中北市民病院を利用しているのはけしからんといっている。しかし救急の連携は世羅中央病院としなさいと言っている。府中市の言っていることは完全に矛盾している。府中市は医療を理解していないし真剣に考えていない。

  ・府中市は原告からの弊害があまり出ていないので、この裁判は原告適格がないので無効だと主張している。府中北市民病院が縮小されてから弊害をこうむった多くの方々に原告になっていただく。

  ・府中市を殺人罪、傷害罪で訴える。

 

6.今後の住民運動(地域住民のなすべきこと)、最後に一言

・命に格差があってはいけない。そのためにも地域医療は守っていかなければならない。住民が互いに学習し、話し合い、一団となって成果のある運動を展開し続けることが大切である。なんとしても中山間地域であればこそ医療は命の問題であり、子や孫に残す遺産として守り続けていく責任がある。

・身近なところから輪を広げていく。

・都会からUターンしてきた知人が上下町は病院も上下水道も学校もインフラがしっかりしていたので老後を故郷上下町でと思って帰ってきたのに失敗であったという悲痛な叫びを発していた。

・府中市はこの問題を政争の具にしている。自分は右寄りの人間であるが副市長と面会した時、左よりの人間にされていることがわかった。住民運動をしている人間を左翼と位置づけることで、上下町の住民同士を離反させ、さらに府中市住民と上下町住民を離反させようとしている。この問題は地域住民全体の命の問題であるので府中市の術中にはまらず右も、左もなく地域住民は結束しなければならない。

・府中市は府中北市民病院が35床になっていないので満床になることはまれであると強調しているが、病院は多少の余裕がないと救急患者を受け入れることが不可能となる。情報操作をして地域住民を混乱させている。こういった策略に惑わされることなく地域住民は正しい情報を共有し、学習してあきらめることなく一致団結して住民運動を継続していくことが大切である。

・決してあきらめないこと。組織がだめなら一人でも頑張る。

・今の日本は、命より経済が大切という市場原理主義のため多くの社会問題が発生している。その解決策は隣近所が競争相手でなく、協力していく文化の創出・成熟が大切である。

・手を抜くとやられる。今はしんどい時だが頑張っているから現在の府中北市民病院の状態でいるのである。諦めたら病院の廃止が待っている。

・医療の雇用効果や大きい。地域再生、活性化の目玉となる。若い人も帰ってくるし子供も増える。税収も上がる。そういったことを府中市に理解させることが必要。

・全国的事件を殺人罪で告訴した経験がある。今回の問題は地域住民の命と健康にかかわることで多くの弊害が実際に発生しているので殺人罪になる可能性がある。自分もかかわっていた薬害エイズ事件は不作為で有罪になっている。

・今は住民運動が点であるがこの住民運動・草の根運動を線から面、立体に発展させていくことが重要

●平成24年12月24日、伊藤吉和府中市長に決議文要望書;市長は出てこず、庶務課が府中市役所2階通路に長机を置いて対応。いつもの如く担当課の医療政策課職員も不在であった。
●平成25年2月14日、湯崎英彦広島県知事と林正夫広島県議会議長に決議文要望書提出。独立行政法人化後に多数の弊害が発生していることを訴え、府中北市民病院診療圏の実態調査と協議の実現の要望をした。知事との面会は叶わなかったが、林議長は真摯に対応された。内容は下記リンク参照。