「ベクトル」



昨日の悪が 明日正義になることは
よくある話だが ご存知の通り
世のいわゆる白と黒は
表裏一体 ゆえに 紙一重だ

光と闇と 世の中そんなに簡単に
片付けられないことが多くて
ぐちゃぐちゃにこんがらがったものの中に
自分の欲する色を見出し
自他に暗示をかけあって進んでんだ

でも それでいいじゃない?
そこからでいいんじゃない?

価値観は メトロノームのように
真実へ登り詰めた気がするほどに
その動きは 速さを失ってゆく

やばいくらい 右へ行って
ばかみたく 左で吠えて

やがて訪れる
君だけの ベクトルをめざして


自分が 卑怯者になるのを恐れて
思いとどまるのは
自分が卑怯者になることと
表裏一体 ゆえに 紙一重だ

恐る恐る探り合って 自信満々に掲げちゃう
そんな僕らのジコチューは
めちゃめちゃ熱いか 冷たいか
どっちにしたって 手を出せば
火傷しちゃって 麻痺しちゃうんだ

でも それでいいんじゃない?
そこからでいいんじゃない?

価値観は メトロノームのように
真実へ登り詰めた気がするほどに
その動きは 速さを失ってゆく

泣けちゃうくらい 肩寄せ合って
笑っちゃうくらい 独りになって

やがて訪れる
安息の地を 求めて


価値観は メトロノームのように
その静寂を 打ち破ろうとして
音を出しては いったりきたりだ

笑っちゃうくらい 泣いて
泣けちゃうくらい 笑って

でもそこからでいいんだよ

やがて訪れる

君だけの 真実をめざして...













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