「幸せの足跡」




ぼくが心という海でたてていた 悲しみの波は
君という岸がなければ
その存在も知られぬままに
永遠と 闇を漂っていたことでしょう


夜の雨が残した 霧を払うように
この胸のモヤモヤを
すべて君に ぶつけてみたい
ありとあらゆる 恐怖心を越えて


君が精一杯に 悲しみを吸って
可憐な花を咲かそうとするのなら
ぼくが その器となって
倒れぬように 支えてゆこう


かっこ悪くて 味気ない器でも
その輝きが より際立つように




ぼくが人生という筆で描いてきた ただひとつの地上絵は
君という羽根がなければ
その存在も気付かれぬまま
永遠と 空を眺めていただけでしょう


朝露のついた葉を そっと揺らすように
こころ震わす言葉で
その涙 拭い去ってあげたい
ありとあらゆる 勇気を集めて


君が世間に溢れる 偽りの言葉に
怯えてさまよっているなら
ぼくが 君の真実となって
安らぎの灯を 灯してゆこう


かっこ悪くて 照れくさい気持ちも
この腕の中で 消えてしまうほどに



君が命一杯に その小さな手で
温もりをかえしてくれるなら
ぼくは その手を離さないから
ずっと二人で 歩いていこう


かっこ悪くて 不器用な歩みでも
幸せの足跡が いつまでも 寄り添ってゆくように・・・

















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